タイトル:職人・工務店のためのリフォームマニュアル 計画立案編

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概要

職人・工務店のためのリフォームマニュアル 計画立案編 の電子ブックです。平成27年度発行 編集・発行 全国建設労働組合総連合

段差をなくなどの住宅のバリアフリー化は、1995年に公庫の金利優遇措置が始まり、2001年に高齢者の居住の安全確保に関する法律がつくられるなど、ちょうど過渡期に当たります。部屋の出入口に下枠があったり、和室との境で15~40ほどの段差があったり、廊下とトイレに段差があるなどがこれに当たります。出入口の下枠を撤去する場合は、扉を引戸に変えることがおすすめです。リフォーム用の壁にアウトセットできるものがあるので、下枠をフラットとしてしたレールもなしにできます。和室との段差をなくす場合に、現状のフローリングの上から増し張りすることが考えられますが、この場合いくつかの注意点があります。・既存床の床鳴り等がヒアリングし、その部分を補修しておく・階段の最終段差が小さくなるので、住まい手にその感覚を体験してもらう・玄関框等の納まりを考慮する・建具が高さの加工が可能かをチェックしておくなどです。(3)内装リフォームの部屋や部位別の注意点内装リフォームでは、水廻りの床や壁は、ある程度の防水性能が要求されたり、火を使うキッチンや薪ストーブの周りでは防火性能が要求されます。また、キッチンでは、防火性能と同時に、油汚れなどの防汚性も要求されます。これは、住まい手の家族構成によっても異なり、小学生ぐらいまでの小さなお子さんや高齢者がいる場合は、この方向が顕著になりますが、逆に中学を過ぎたお子さんならそれほど気を使う必要もなくなります。家中の床を無垢のフローリングにリフォームするなどは、小さなお子さんや高齢者がいる場合は避け、水廻りは適切な素材を用いるべきですが、それ以外では、メンテナンスもあまりかからずお勧めとなります。壁の仕上げ材についても、同様で、壁にべたべた手をついたりしやすい小さなお子さんがいる場合は、自然素材系というより、直ぐに雑巾で汚れは取れるビニールクロス系の方が掃除の上で優れています。キッチンの壁は、油汚れなどの掃除のしやすさである防汚性に優れたキッチンパネルが主流となっており、その他の部分を防汚性の高いビニールクロスとすることが一般的ですが、コンロ廻り900ぐらいはキッチンパネルとすることをお勧めします。図26コンロ廻りのキッチンパネルキッチンパネルには、そのもので不燃認定をとったものと下地となる石膏ボードの種類に左右されるものがあるので注意を要します。一般的にキッチンでは、不燃石膏ボードの仕様をお勧めします。アイランド型やオープンキッチンにIH以外のコンロを使う時は、特に火元からの仕上げ材の距離についての規定に沿って不燃材料を使うことが義務付けられていますので注意しましょう。86