タイトル:職人・工務店のためのリフォームマニュアル 計画立案編

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概要

職人・工務店のためのリフォームマニュアル 計画立案編 の電子ブックです。平成27年度発行 編集・発行 全国建設労働組合総連合

(1)メンテナンスサイクルによってリフォームの需要が生まれる事業者の皆さんは、経験や知識によって建材や設備機器の入替え時期の理解はされていると思います。しかし、住まい手への説明はどうでしょう?もしかして単純に破損や不具合のタイミングをもって入れ替えの提案のタイミングとして捉えていないでしょうか?住宅は、屋根や壁、床、内外装に骨組み、様々な住宅設備、機器などなど、住まいは膨大な数のパーツによって構成され、これらはそれぞれ決まった耐用年数と修繕周期をもっています。だからこそ、点検と補修は不具合が出たから……ばかりではなく、それぞれ適切なタイミングに合わせて行なう必要があります。このメンテナンスのサイクルが、新たなリフォームの需要へとつながる行動になります。住宅のメンテナンスサイクルを考える場合「外装部分」と「内装部分」、「住設機器」の三か所に分けて考える事が一般的です。ここに、単独で防蟻の対策を付け加えて四か所の対策として考えられます。1外装部分外装部分として分類されるのは、「屋根とその周辺部材」「外壁」「ベランダやバルコニー」「外部に面した開口部」「ウッドデッキ等のその他外部」となります。外装部分の特徴としては、その名の通り常に外部環境に面した箇所でもある為、常に雨風、寒暖等の温度変化、紫外線、砂埃などの悪影響を与える環境にさらされています。場所によっては、塩分を含んだ潮風にも影響を受ける場合もあります。この様に外的要因を最も受けやすい箇所であり、その箇所の傷みが建物の躯体部分へも影響を受けやすい箇所となります。この外的要因を受け、劣化が進みひび割れやチョーキング現象(塗装面の表層樹脂が劣化し、塗料の色成分の顔料がチョーク(白墨)のような粉状になって顕われる現象や状態)などを起こし、塗装面が劣化する事で防水機能が失われ建物内部に侵入し主要となる構造部分や土台の腐食等の原因となり、住宅全体の劣化を早める場合があります。この外装部分も一括して同等の処置が出来るものではなく、使用する素材や塗装によって耐久年数が異なる為、使用している建材の把握が必要となります。10