タイトル:職人・工務店のためのリフォームマニュアル 計画立案編

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概要

職人・工務店のためのリフォームマニュアル 計画立案編 の電子ブックです。平成27年度発行 編集・発行 全国建設労働組合総連合

3-9.収納スペースの設置(1)収納リフォームの基礎知識収納と言うと、一昔前は、和室には押入れ、洋室や共用部分には物入れ、納戸などを設けるのが主流でした。また、目的に合わせ部屋の中に衣料箪笥や食器棚、下駄箱、居間の飾り棚といった家具へ身近のものの収納を行うことが一般的でした。現在は、これらが進化したクローゼットやウォークインクローゼット、玄関まわりのものに特化したシューズクロークなど、使い勝手や収納するものに合わせて収納スペースを確保していくようになっています。一戸建ての場合、必要な収納量の目安として家の広さの10~15%と言われています。どうしてもプランニングでは、部屋の広さに気をとられ、収納スペースを削りがちです。そうすると、やたらものが増えたり収納のために家具を置いたりして、結局は、狭いスペースしか使えなくなっているお宅をよく目にします。生活の中で、ある程度ものが増えることを前提として、何を収納するのかを考えその収納するものに合わせたスペースを確保することが重要で、「押入れが2間あればいろんなものが収納できる」的な考え方は危険です。プランニングや動線に合わせて収納するものを考え、適切なスペースを配置することが必要です。また、納戸やウォークインクローゼットなどの大きな収納スペースは、外部の開口部がなくて風通しが悪いと、梅雨時に湿りやすい傾向があり、せっかくの衣類が台無しになりかねません。換気や照明、掃除用のコンセントなどを考慮することを忘れないようにしましょう。部位別計画の立案リフォーム計画の立案1収納の種類収納と言ってもその収納するものに合わせ多くの種類があります。1)納戸・ウォークインクローゼットそもそも納戸は、平安時代の寝殿造りの寝室で、高価な宝物を収納していた場所でした。これが明治期に転化して、衣料の行李(こうり)や調度をしまう部屋や箪笥などの家財を置く部屋の意味で用いられるようになりました。現代で言えば、ウォークインクローゼットになるでしょうか。しかし、ちょっと考え方が異なります。納戸は、もともとは着替えもそこで行いましたから、6畳とか8畳ほどの広さがありましたが、現代のウォークインクローゼットでは、主に寝室に付属し、衣服や身の回りのものに合わせて、天井までのスペースを余すとこなく使い季節に合わせた衣替えなどを考慮しプランニングします。2)押入押入は、そもそもは納戸がだんだん狭くなり、布団を収納することに特化して、和室に付属して設けられたものです。その意味では、布団の収納に最適なスペースを持っています。布団も季節に合わせ、夏用、冬用とある訳で、1家4人の布団だけでも相当な量になります。また、ベッドだとしても、掛布団は夏冬使い分けたり、タオルケ収納ス設ペ置ースの133