タイトル:職人・工務店のためのリフォーム現況検査手順書 第Ⅰ章、第Ⅱ章、資料編

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概要

職人・工務店のためのリフォーム現況検査手順書 第Ⅰ章、第Ⅱ章、資料編 の電子ブックです。平成29年度発行 編集・発行 一般社団法人 全建総連リフォーム協会

Ⅰ-3放って置くと他社の顧客に第Ⅰ章久しぶりにOB顧客の住宅の前を通ったら、「綺麗になっていた」とか「工事中だった」という話をよく聞きます。この場合、「うちには、連絡が無かった」「そんな客は、もううちの客ではない」と考えるのではなく「何故、うちに連絡が無かったのか?」「うちから連絡を取っていたのか?」と考えてみましょう。おそらく何らかの原因に行き当たるか、何かあったら連絡があるものと考えて全く連絡を取っていなかったのではないでしょうか?前項でも記載しましたが、リフォームを行った消費者調査から見ると「日頃つきあいのある業者に頼む」割合が30%前後と高いのですが、前項で見た「住宅を建てた工務店やメーカーに頼んだ」割合は15%前後しかないのが実態です。この結果から見える問題は、お客様から見て「住宅を建てた工務店やメーカー」が「日頃つきあいのある業者」として見られていない割合が大きいという事です。通常業務が営業活動へ本書の作成前に、複数の工務店様にご協力いただいてOB顧客の訪問を行って戴いたことがあります。日常の活動で殆ど連絡を取っていないお客様を対象に、事前のアポイントを取らずの突然の訪問です。協力いただいた工務店様には、非常にハードルの高い思いだったことでしょう。約束の無い突然の訪問に対し、お客様は最初怪訝な表情で対応されました。しかし、ご自分の住宅に係わった事業者の方が訪問されたことにより、次第に話が進み抱えている問題や住まいに対するご不満を話していただけました。ここでポイントになったのは、事業者の方がかけた最初の言葉が「日常はご無沙汰して申し訳ありません。○○様のお住まいが丁度10年を経過して色々な箇所にメンテナンスが必要な時期になりましたので状況の確認とあわせてご挨拶にお伺いいたしました。」だったことです。日頃、連絡が無い事をお詫びしつつ住まいそのものが10年以上の時期を経た場合、住宅に不具合が出る可能性を伝え、築後10年以上の住宅を中心にまわって問題のヒアリングに伺ったことを伝えていることがポイントです。結果としては、既にシーリング等の打ち替えを他社に発注して工事をしたお客様や住宅そのものには問題を感じていないが生活スタイルが変わったことによって、不便を感じていて相談が始まったお客様、何もありませんと言いつつ目視による問題を指摘するとその対応に対するご相談が始まったお客様など補修やリフォームの相談が始まったお客様も多数いらっしゃいました。実際には、「お伺いしてご挨拶をする。その後の訪問やご連絡をさせていただく了解を戴く。」という流れになるのが大多数です。しかし、お伺いすることで初めて事が動き出します。「連絡がないから問題が発生していない」ではなく「不具合や不安がないか定期的に確認する」ことが必要であることを認識しましょう。全ては、そこから始まります。―7―