タイトル:リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 現場編
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リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 現場編 の電子ブックです。一般社団法人JBN・全国工務店協会
第3章施主や近隣への対応での注意点7近隣との関係を良好に保とう近隣との関係を上手に作り上げることは現場監督として重要な調整任務であり営業行為でもあります。日常のあいさつは、近隣トラブルを防止するための最低限の行動といえます。あいさつから始まって近況の話題や子供や孫の話題など、多岐にわたる会話ができることで、家族の状態や嫁姑の関係性などを知ることができることもあり、そのうような機会は、人が住まう住宅を提供する専門家として知っておいて損はない情報の宝庫であることを認識しましょう。近隣の方から補修工事や樹木伐採などの仕事の依頼が出ることもあります。これは、裏を返せば、近隣の家を建てた工務店が継続して維持管理を行えていない、あるいは倒産して存在していないなどの理由で、家の手入れをしたくても誰に頼んで良いかわからないという、管理工務店不在の住宅で、現在では非常に多く見受けられます。そんな時、隣の現場の現場監督は明るくあいさつをしてくれる、現場の清掃状態もきれいでよく、職人さんたちも楽しそうに仕事をしている、というように外から見ても素敵な現場であればどうでしょう。近隣住民の方は、近くで工事が行われていると興味を惹かれるものです。その興味に十分こたえられる現場があれば信頼に足る工務店だという認識をしてくれます。それまで、「近くで塗装工事をしていてお宅の外壁の劣化が気になったので点検をします。」とか、「近くで屋根工事をしていて屋根が落ちかかっているので補修が必要です。」といった、不要不急の状態であっても危険性をあおり、不必要な工事まで行って売り上げにしている訪問販売業者が声掛けしてくる中にあって、一味違う工務店とみなされれば、必要が生じたときには連絡しようという気持ちになっていただけます。そのためには、良い現場、見せられ、魅せられる現場を作りあげることが重要です。そして、その現場に自分たちの連絡先やモデルルーム、建築に対するポリシーなどを伝えるツールなどを使って近隣にアピールできれば、その地域でのつながりが発生し、新たな顧客を獲得することもできると思います。顧客を作るのは、何も営業マンの特権ではなく、現場監督の魅力と現場の魅力で作り上げることも十分に可能です。信用や信頼は個人に付くものでもありますので、施工の管理だけではなく現場全体のマネジメントを行うことで近隣にも波及できるようにしてみてはいかがでしょうか。ただ、近隣から受注した際、良い印象を持たれた職人のチームではなく、異なる職人が担当になると、腕や対応の差が出た際に、より良い印象になる場合は問題になりませんが、逆の場合、自分が信頼したのはこの人達ではないと、施工者の交代を要求されてしまうこともありますので、チームを変えない施工体制を組むか、近隣の方の信頼のポイントをつかんで、それをはずさないように気を付ける必要があ62るでしょう。