タイトル:リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 現場編
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リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 現場編 の電子ブックです。一般社団法人JBN・全国工務店協会
第3章施主や近隣への対応での注意点5問題が生じたときの初動に気をつけよう建築の専門家でない施主が現場で感じた疑問が、施工上の問題であることがあります。施主の不安を素人の取り越し苦労と捉えず、何を疑問に感じているのか、何を不安に感じているか、施主の気持ちに寄り添って聞き取るようにしましょう。とはいえ、専門家でないが故の思い込みによって、多少イレギュラーであるものの全く問題がない状態でも大きな不安に感じることもあります。こうした不安を問われた際、最初の対応を間違えてしまうとより大きな問題に発展してしまう可能性があります。問題がない状態であるにも関わらず、よく確認をせず、施主の気持ちに寄り添いすぎて、「大変なミスをしてしまい申し訳ございませんでした。誠心誠意対応させていただきます。」などと言ってしまうと、「自分の不安が的中してしまい大変なことが起きている。家が倒れてしまう。」というところまでイメージが飛躍してしまうこともあり、その終息は難しくなります。そうなると、謝罪した当事者が、「調べた結果全く問題ありませんでした。」と調査結果だけを説明しても受け入れてもらえないのではないでしょうか。特に社長や技術責任者などがこうした発言をしてしまうと、その誤解を解くことは難しくなり、場合によっては、訴訟によって明らかにすることを望まれることもあります。施主の疑問が提示された場合、不安に感じているところやどこに疑いがあるのかを丁寧に聴き、施工状態を確認し、不安に思わせてしまっていることに対して謝罪を行うのであれば、寄り添うという意味での対応になるのではないでしょうか。そして、その不安や疑問点が本当に問題なのか判断がつかない、あるいは自分でも問題があると感じた場合でもその場での即答は避け、正しい検証を行ってからその結果を報告するという手順を踏めると良いでしょう。そしてその検証結果の報告の日限を切り、施主の不安をいたずらに引き延ばさないよう留意しましょう。施主の印象責任者が問題を認めて謝罪をした。これは大変な問題なのだ。何としてでも責任を取らせなければならない。その結果問題なかったことがわかったと言っても、責任逃れのために屁理屈を押し付けられたと受け取られ、訴訟に及ぶこともある。施主の不安に対して全て無条件で謝罪をするということではなく、状況の正確な把握と正しい判断を行って、納得していただける情報や根拠を用意してから回答できるよう心がけましょう。60