タイトル:リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 現場編

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概要

リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 現場編 の電子ブックです。一般社団法人JBN・全国工務店協会

第1章施工時の心得(戸建て住宅)24把握しておきたい構造の基本木造住宅は、耐力壁の配置により地震力を負担させています。耐力壁が十分にその性能を発揮するためには、耐力壁が壊れる前に接合部が外れてはいけないということと、水平構面(床面や屋根面)が壊れてはいけないということが前提となっています。仕様規定において、接合部については、告示1460号の表やN値計算といった耐力壁に応じた接合補強を行う仕様が定められていますが、水平構面に関しては、板材を使用する場合以外は、隅角部に火打ちを入れることという規定があるだけで、具体的な強度を数値などにより確認する規定が建築基準法にはないのが現状です。水平構面の強度を想定するためには、耐震補強技術や性能表示制度の仕様などを参考にして、耐力壁より前に崩壊しないような対策が必要であることを認識しておきましょう。小屋組み部分の軸材についての規定もないため、かすがいで組まれることが多く、一般的な天井を張る形であれば小屋組み全体で対応できますが、勾配天井の場合も同じ組み方で施工すると耐力不足が生じる可能性が高まります。水平構面と鉛直構面はせん断力が流れるように、受け材や梁などを介して接続させる必要があることを意識しましょう。勾配天井の場合、水平構面は屋根面となるため、屋根形状によっては、小屋組み部分に直接せん断力が働くことになります。力の流れをイメージして、十分に力が流れるように考えてみましょう。特に築年数の多い建物の下屋については水平耐力が不足していることが多く、その先にある耐力壁にせん断力が到達する前に屋根面が崩壊してしまうことがありますので、注意が必要です。天井有勾配天井一般的な形状ではない建物この部分が接合耐力不足やせん断耐力不足になることがある水平構面水平構面と鉛直構面が離れてしまう場合は面材などでせん断耐力を確保し接合部の補強も行う水平構面水平構面開口鉛直構面鉛直構面開口小屋組全体で水平構面水平構面と鉛直構面が接合されていない状態一般的な構造の考えでは危険になることもあると認識する46