タイトル:リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 現場編

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概要

リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 現場編 の電子ブックです。一般社団法人JBN・全国工務店協会

第1章施工時の心得(戸建て住宅)22契約と予算と劣化事象リフォーム工事の場合、少額工事であると、見積書や仕様書、契約書などの取り交わしをせずに工事を進めてしまい、最終的に仕上げや予算が意に沿わなくなりトラブルになることがあります。これを防ぐために、施工前に工事内容について取り決めをきちんとしておくこと、解体後に発見される可能性のある劣化事象をインスペクションの段階で把握し、その補修も考慮に入れて、工程表や見積書と少なくともカタログで仕様がわかるもの、出来れば図面や仕様書などを作成し、完成の状態の認識を施主と合わせておく必要があります。隠れている劣化事象への対応方法として、建物全体のインスペクションを行い、表面に現れている症状から内部の状況を推測して、対応策を検討しておくことがより良い対応となります。とはいえ表面に症状はなくて内部に劣化事象などが生じている場合があります。これについても、建築年代から想定される劣化事象を織り込むことは可能でしょう。隠れた劣化事象が現れた際の取り扱いをどのようにするか、完全に補修するのか、最低限補修するのか、なにも対処しないのか、といったことを、事前に施主と定めておくと、予期せぬ状況が生じても慌てず対処できると思います。またそうしたことが起きうることを知らせておくことで、施主の心構えができるため、トラブルにつながりにくくなるでしょう。さらに言えば、インスペクションで見つけた劣化について、下地や躯体までの影響を評価・推測し、必要な補修を前提として見積りや工程組を行い、補修が不要であった場合、工事は行わず、その部分の金額は請求しないといった取り決めまで行えると、開けてみて劣化があれば追加、追加で、いくらかかるかわからないといった不安定な状況から脱することが可能になるでしょう。施主の印象次から次へと想定外の劣化が出てきてしまい、本来行う予定のリフォームの予算を超えるが、途中でやめられず大変な出費になる。その結果こんなことならリフォームしなければよかった。少額工事であっても契約書を交わし、劣化に対してもできうる限りの調査や検証を行い、想定外で発生する工事を極力なくして予定通りの工事とするように心がけましょう。44