タイトル:長期優良住宅化リフォームのためのリフォーム工事の部位別施工指針 工事の流れと注意点編
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長期優良住宅化リフォームのためのリフォーム工事の部位別施工指針 工事の流れと注意点編 平成26年 一般社団法人JBN
構造軸組4-1スキップフロアの補強工程スキップフロア床に伝わる地震力を外周壁に伝える。スキップフロアの境界壁を補強する。劣化の補修(レベル2)不具合スキップフロア境界部に、スキップ床から大きな曲げ負担が掛かる。補強方法はスキップフロア廻りの壁に耐力壁を追加する工事のため、●(耐力壁)「耐力壁の新設」の手順と同じとなることから、その他の留意点を記載する。留意点床に段差を設けたいわゆる「スキップフロア」は構造上、水平構面の連続性に問題が生じることがある。図は、階段状にスキップした床面に、水平力(地震力)が作用したときの解析結果である。lつの床面の大きさは3,640mm四方、段差は800mm、床倍率は2.0倍としている。図1スキップフロアの検証モデル水平力壁倍率:2倍屋根の床倍率:2倍床倍率:2倍壁倍率:2倍スキップフロア床の変形図2は、段差部分がすべて開口部になっている場合の水平変形量だが、床面に連続性がないので、上層に行くほど床面がねじれていることが分かる。段差l段当たりの変形量は約1cmで、この間の層間変形角は1/80にもなる。図2段差部分が開口の場合段差部分が開口であると、床面の連続性がないために加力方向と直交する方向にも変形が生じる(ねじれ変形)図3は、段差部分が塞がっている場合の水平変形量で、ある。このように、床面に連続性があると、ねじれはほとんどなくなっているのが分かる。折曲げ部分を広げると、吹き抜けで床面が分断された状態であることがわかる図3段差部分が壁の場合段差部分に壁を設け床面に連続性をもたせると、加力方向と直交する方向への変形はほとんどなくなる*1段差l段当たりの変形量は0.5cm程度で、層間変形角にすると1/160である。段差部がすべて開口というのは、仮に、折れ曲がっている部分を広げてみると、細長い吹抜けで、床面が分断されているのと同じ状態である。この場合はそれぞれの床下に耐力壁が必要になる。したがって、スキップフロアのように、床面に連続性がないプランでは、ゾーニングをした後でブロックごとに壁量を確保し、バランスよく配置する必要がある。なお、上述の細長い吹抜け部も、床を設ければ分断された床がつながることになる。その「つなぎ床」は、剛性を高めるほど段差床の一体性が高まる。よって、スキップフロアの設計は、下記の点に注意するとよい。1床レベルごとに分解し、各床面積において壁量を確保する。2床段差の部分を結ぶような耐力要素を設け、床の水平剛性を高める3全体の耐力壁配置のバランスをチェックする4耐力壁構面の間隔が長い場合は、内部壁を設ける。床面の局部変形や、ねじれを補正する位置に配置する86