タイトル:リフォーム工事における見積書作成の考え方と施工手順

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概要

リフォーム工事における見積書作成の考え方と施工手順 平成26年 一般社団法人JBN

工事予算を前提とした価格算出に向けて工事の予算枠が大まか決まっている中で、顧客が希望する内容すべてを受け入れるには無理がある場合が多々あります。この為、費用と顧客の要望のすり合わせの折衝が必要となります。この折衝に向けた準備が必要で、工事項目の仕分けを事前に行う必要が有ります。この準備を怠り、材工共の一式算出等を行った場合に材の変更を行った際に、工賃の値下げに繋がり、相対的に利益が出ない工事となる場合があります。この状況を避けるために、以下の準備が必要となります。1工事区分別に、材料費と工賃の仕分けを行う。使用する材の変更が行われる際に、価格変更の対象となる部分を可視化することが必要です。工賃は、建材についているものではなく工事する際に必要経費であることを顧客に理解いただきます。この為、見積り表記は一式でも構いませんが、必ず材工を分けた内訳資料の用意と説明が必要になります。これは、見積提出時に行わないと後の変更となった際に、説明を行っても取ってつけた説明と受け取られる可能性があります。第3章2使用する建材の優先順位を確認する。リフォーム工事では、顧客のこだわりによって絶対に外してはいけない住設機器等があります。一方、機能が同等であれば建材の変更が可能なものや事業者に一任して任せる建材等があります。折衝の過程でこの区分を行い、予算に応じて建材変更のシミュレーションを行う事が必要です。事前に、変更提案を行う建材等の資料を持参して見積提出に臨むことで、顧客の質疑にその場で明確に答えることが出来ます。3求める性能を満たすために必要となる工事をグループ化する。広範囲に及ぶ工事の場合に予算の都合上、部分的に工事を断念する場合があります。この際、その工事を断念することで期待する性能に満たない工事となる場合があります。(断熱改修工事等の対象範囲の他の部分に影響を及ぼす工事)リフォーム工事を行うのは、その求める性能を満たす為です。この為、その目的を満たすために必要となる工事は、予め一つの工事グループとして分類することが必要です。これにより、断念することが可能な工事と出来ない工事を明確にします。-37-