タイトル:職人・工務店のための長期優良住宅化リフォームマニュアル 構造 外部 内部 設備

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概要

職人・工務店のための長期優良住宅化リフォームマニュアル 構造 外部 内部 設備 の電子ブックです。平成26年発行 編集・発行 全国建設労働組合総連合

●調査結果の概要説明住まい手は、調査の間や調査の報告が出るまでの数日から1週間程度の間、調査結果について興味や不安を抱えている。報告ができるまで、住まい手へ何も情報を伝えなければ、不安を増大させる可能性がある。また、雨漏り等の緊急性が高い場合は、報告書ができるまで雨漏りを放置することは、劣化やその他の被害を助長するなど建物への負担を増すと同時に、住まい手からの不信感を招く結果となる。これらを防ぐため、現況調査を行い、一通り劣化事象を把握した時点で、住まい手に、緊急に対処が必要な点、早期に補修を行った方がよい点など、およその概要を一通り提示しておくことが必要となる。劣化の状況が分かれば、雨漏りにはシートを掛ける、シロアリには取りあえず殺虫剤を使用するなど、住まい手自身でも対策をとることが可能となる。●調査結果の報告「住宅検査実施記録書・検査結果報告書」へ情報を整理したチェック内容を記入し、コメントを付けた写真を貼り付け、住まい手への内容説明と同時に提出する。悪徳リフォームとの差別化を図るため、正直に現在の劣化状態を住まい手に知らせることを目的とし、ここで強引な勧誘は行わないという姿勢が重要となる。依頼された項目以外でも、住まい手に有用な耐震補強や断熱補強の提案や、補助金や税金の還付制度等の情報など、併せて報告ができる用意をする。1)著しい建物の傾き床の傾きは、調査者の体感により大きな傾きを感じた旨報告する。※建物の傾きとは、根太のたわみ等による小さい範囲での傾斜は対象としておらず、建物全体としての傾きの有無を対象としているので、判断に注意が必要となる。6/1000以上の傾斜があった場合6/1000以上の傾斜があった場合は、構造や地盤に問題がある可能性が高い旨報告する。1回の計測では傾斜が進行しているか否か把握できない場合は、記録後、必要に応じた時間を区切り(半年や一年など)経過観察を行う提案とする。壁の傾きはレーザーレベルや下げふり等で確認し、住まい手からの傾きに関する申し出があった場合は、その部分の計測にレーザーレベル等を準備し行う。2)雨漏りの形跡雨漏りによる水染み等があった旨報告する。※結露や生物の糞尿などの可能性もあるので、判断違いに注意する。3)著しい施工不良と思われる個所経年劣化によるものでなく、新築工事の段階での施工ミス等があった可能性を報告する。90