タイトル:職人・工務店のための長期優良住宅化リフォームマニュアル 構造 外部 内部 設備

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概要

職人・工務店のための長期優良住宅化リフォームマニュアル 構造 外部 内部 設備 の電子ブックです。平成26年発行 編集・発行 全国建設労働組合総連合

4.性能向上リフォームへの取組みリフォーム工事は、既存の住宅を対象とする工事となるため同じ目的を持った工事であっても、その工事内容は多岐に渡るものとなる。これは、住宅の性能回復を目的とした工事であれ、長期優良住宅化を含めた性能向上を目的とした工事であっても同じである。つまり、工事の目的は同じであっても工事の対象となる建物の状態によって工事内容や施工金額、工事の期間に違いが発生するという事である。建物の状態によっては目的とする工事が行えない場合も発生する。これは、物理的に工事が出来ない場合と住まい手が想定していた条件との差異によって工事を断念する場合もある。そして、この差異を極力小さくするために行われているのが、事前の現状調査と言われるものである。リフォーム工事を行うにあたっては、工事内容や工事金額の割出を行うにあたって現状調査は欠かせないものとなっており、皆さんも必ず行われている事と思われる。住設機器の入替えやクロスの張り替え等の性能回復を目的とする工事の場合は、この事前の現状調査で算定する内容で大きな差異は発生しないと思われる。しかし、雨漏りや室内の寒暖の差に対する対応など構造躯体や建物の下地材に原因があると思われる工事やこれらの構造躯体や下地材に大きく関係してくる性能向上リフォーム(長期優良化を含む)では、必要とする現状調査の内容が大きく変わってくる。また、ここでの判断が工事の内容そのものを大きく左右するといっても良い。その為に、従来の現状調査と異なった詳細の調査が必要となる。前述した、性能向上リフォームの提案に欠かせないことにも記載したが「対象となる住宅の現状を把握する事」「現状を住まい手に明確に説明し、その問題点とリフォームによる効果を説明し理解を得る事」が必須となり、対象住宅のインスペクションの実施は必須となり、インスペクションの結果を基に住宅の状況を把握し、対処方法を割り出す必要がある。この調査の結果を持って、目的とする工事を行うのかの判断をする事となる。この際に重要なのは、工事か可能かどうかだけではなく、住まい手の要望にどう実現するかの判断材料を明確にすることで工事の実施に関して、住まい手の最終判断を受けることが必要であるという事である。41