タイトル:職人・工務店のための長期優良住宅化リフォームマニュアル 構造 外部 内部 設備

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概要

職人・工務店のための長期優良住宅化リフォームマニュアル 構造 外部 内部 設備 の電子ブックです。平成26年発行 編集・発行 全国建設労働組合総連合

3.依頼を受け訪問した際のヒアリングの注意ヒアリングの際、要望や問題を言って下さいと言って、整理して答えてくれるユーザーは希である。最初の挨拶から辞する時の挨拶まで、現地でユーザーと話す時間を全てヒアリング対象と思って頂きたい。ユーザーに要望があっても、具体的な使い方までイメージできていない場合もあるので、喜んでもらえる計画とするためにも、ヒアリングの中で、相手の日常生活の状況や感覚を読み取る努力が必要である。あらかじめ質問項目を整理したり、アンケートを行ったりする方法もある。●リフォームの理由の確認リフォームの理由を聞いたのみでは設計提案をすることは難しく、こちらから具体的な質問を行う必要がある。これにより、相手が自分でも気がついていなかった住まいの現状を、細部にわたって確認でき、設計提案を行う基礎資料をつくる手がかりになる。問題や課題がはっきりすればするほど、答えの出し方もはっきりする。必要な質問を何度も行い、リフォームをする本当の理由をお互いに把握することがとても重要である。●問題の優先順位リフォームの優先順位を確かめることも重要である。リフォームをしたい理由を確認すると、「狭い」「住みづらい」という理由が並ぶことが多くある。この他に「風通しが悪い」「病人がいる」という理由が並ぶこともある。理由によっては1つの問題を解決すると、別の問題が出ることもある。これらの問題を一度で全て解決できるとは限らない。場合によっては、何度かに分けてリフォームを進めなければならない。リフォームをする理由がいくつもある時は、その中で重要性の高い問題、または緊急度の高い問題が何かを確かめる。相談者が抱える一番の問題を明確にすることが重要である。●予算の確認初期のヒアリングの段階で予算を把握することでその後の設計提案の無駄や手間の省力化にも繋がる。予算が分かることで適切な提案ができることを、打合せ時に説明したい。●ヒアリングシート相談内容の記録には、「ヒアリングシート」の活用が有効である。リフォーム相談において、どのようなリフォームをすればよいかという具体的な設計提案をするのが最終目的であるので、設計提案づくりのための情報をできるだけ集めておかなければならない。相談が数回にわたる場合、次回面談までに細部を忘れることもあるのでメモとしての役割もある。リフォームの位置づけとして、家族のライフサイクルに大きく係わる。次のリフォームの基礎資料としての活用がある。様々なリフォーム事例の記録がたまれば、その傾向などを分析して他の相談者の提案時に活用できる。39