タイトル:職人・工務店のための長期優良住宅化リフォームマニュアル 構造 外部 内部 設備

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概要

職人・工務店のための長期優良住宅化リフォームマニュアル 構造 外部 内部 設備 の電子ブックです。平成26年発行 編集・発行 全国建設労働組合総連合

●体制を作るリフォームの営業を大別すると「投網型の営業」と「積み上げ型の営業」とに区分することが出来る。投網型の営業とは、その名の通り「広範囲を対象とした質より量の営業」であり多くの手法が採られてきた。電話を使った「TELアポ営業」、ターゲットエリアを限定した「飛び込み営業」や投げ込みチラシ・新聞等の折り込みチラシなどを使った営業もその分類に入るだろう。この場合、日常接点がない顧客への営業となる為、低価格で住まい手の興味を引く手法や、「アンテナトーク」や「作業車トーク」と言われる無料作業・点検で、消費者の不安をあおりリフォーム受注につなげる手法などが使われるようになってしまっていた。ここでは、「リフォームの営業であることをターゲットに意識させないために、必ず作業服を着た訪問を行う事」や「営業車は、作業道具が分かるように積んだ作業車であること」、「現場での騒音や混雑、駐車場確保によるお詫びやお礼を理由に、ターゲットと最初のコンタクトをとる事」など、消費者の誤解を招くことから始める営業手法が、当然の様に採用されてきた。この手法をとるリフォーム事業者には、社会的に問題となる事業者も多く含まれていた為、消費者によるリフォーム事業者への不信感が増幅されることになってしまった。一方、積み上げ型の営業は、OB施主を中心としてアフターサービスや季節のあいさつ等をかいして消費者との関係性を積み上げていく手法となる。多くの工務店、大工、職人の事業者が自社をこのタイプに該当するといえるだろう。事実、複数の工務店にヒアリングした結果もこの傾向を示しており、自社のリフォームにおけるOB施主の割合が50%を超える事業者が60%を超えており、30%未満と答えた事業者は、30%を下回っている。しかし、実際にリフォームを行った消費者が自宅を施工した工務店にリフォームを依頼した割合は、20%を切っているのが実態となっている。「消費者との接点を、保有し関係性を継続していくことで、将来のリフォーム受注へ繋げていく。」これが、従来のスタイルであり、工務店が持つ必勝パターンであったはずである。しかし、前述したようにこの関係性の維持に苦慮する工務店が、多数いるのが実情となっている。27