タイトル:職人・工務店のための長期優良住宅化リフォームマニュアル 構造 外部 内部 設備

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概要

職人・工務店のための長期優良住宅化リフォームマニュアル 構造 外部 内部 設備 の電子ブックです。平成26年発行 編集・発行 全国建設労働組合総連合

8.工事●工事記録の作成・施工チェック長期優良住宅の新築において、住宅の維持保全計画の作成が求められているが、リフォーム工事においても同様に、建材の耐久性や設備機能の変化に応じた、維持保全計画を作成することは、住宅価値の保全に有効である。現場で、思わぬ忘れをおこさないよう、工事内容ごとに注意すべき施工チェックポイントを事前に整理し書面化して施工チェックを行い、特に工事後隠ぺいされる箇所を撮影しておくと、後の改修に役立てることができる。●リフォーム工事の注意点リフォームは、半日から数日の短期間で終了する小規模な工事が多く、その間、狭い現場での多様な工種が交錯するため、かなりの現場マネジメント力を必要とする。さらに、仕上げを解体した後に予想外の劣化を発見することもあり、その納得できる対応が求められる。リフォームの大半は住みながらの工事となることから、発注側から信頼を得られる関係をつくることが重要である。施工側は、職人や関連企業も含めマナーの勉強から始める必要がある。1)ご近所への配慮着工にあたり、忘れてはならないのがご近所への配慮である。近隣住民のことを気にかけることは直接依頼者のことを気にかけることになると共に自社の次のビジネスのきっかけにもなる。着工前は勿論、着工後も挨拶を確実に行いたい。漏れなく回るためにも、「近隣挨拶廻り記録」などのリストを活用して確実に回ることを心がけたい。2)追加工事について現状、リフォームは、契約後に壊さなければわからない壁の中などに劣化や腐朽が見つかる可能性があり、工事費増加のリスクについて発注者側の理解と覚悟を必要としている。補修を必要とする箇所が突然顔を出して、追加工事を請求される事態は、発注者にとって恨めしい状況となる。追加工事費を捻出して劣化を補修すべきか、それとも契約した工事金額の範囲内で仕様やグレードを下げ、あるいは工事内容の一部を諦めて対処すべきか、悩ましい選択を迫られる。劣化の補修を無視する選択肢は、文字通り「臭い物に蓋をする」行為で、苦境に陥った発注者と施工者が合意しやすい結論であるが、それは問題解決を先延ばしし、将来のより大きなトラブルを招くこととなり、施工者の倫理観を欠く行為と言える。一方、施工者の良心的な指摘に耳を傾けない発注者も存在し、このような状況で、理路整然とした説明により納得して頂く会話術も必要とされている。追加工事の請求は、悪い業者との通説が一般的で、その環境下で発注者に住宅の劣化101