タイトル:職人・工務店のためのリフォームマニュアル 計画立案編

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概要

職人・工務店のためのリフォームマニュアル 計画立案編 の電子ブックです。平成27年度発行 編集・発行 全国建設労働組合総連合

3.部位別リフォーム計画の立案部位別のリフォーム計画の立案は、リフォーム工事内容の多い順に沿って解説していきます。3-1.住宅設備の変更住宅設備の変更とは、水廻りの設備機器の取替えで、トイレの便器、洗面脱衣室の洗面台、浴室のユニットバス、キッチンの流しやレンジ、換気扇などがこれに当たります。設備機器を含めた水廻りのリフォームを行う時期は、下記のような劣化等を考慮すると、築15年~20年と考えられます。特にタイル張りの在来工法の浴室の場合は、劣化の進み具合によりますが、土台や下地材がタイルのひび割れ部やシール切れ部等からの水もれによる腐朽や湿潤な環境が続くことによるシロアリによる食害を受けていることがあります。水廻りのリフォーム時期を逃し、その他の躯体部分まで腐朽や食害が進むと、補修費がかさむことになります。また、キッチン、浴室、洗面、トイレなど水廻りは、築10年を過ぎるとよほど丁寧な掃除を毎日心掛けてないと、汚れがこびりついて古びた感じになったり、独特の匂いがしたりします。浴室では、タイルの目地などのカビが目立ち掃除が大変になり、不便さが気になり始めます。これらの状況は、住まい手にとって全てリフォームのきっかけとなります。状況をこまめに聞き取り、水廻りの多の部分と一緒にリフォームすることを提案します。また、最近のシステムキッチンやユニットバスなどの設備機器は、住まい手のライフスタイルに合わせた様々な機能がついています。ユニットバス一つとっても、多機能シャワーや洗濯乾燥機、テレビなどがあります。しかし、この中には、使ってみるとそれほど必要なかったと後で後悔する機能があることを、住まい手にしっかり理解してもらい、どんな機能が必要なのかをもう一度確認して選ぶように誘導していくことが必要です。様々な機能が加えられた製品は、コストが高くつきますし、費用に大きく影響してきます。3-1-1.トイレ(1)トイレリフォームの基礎知識1便器の寿命便器は、基本的に陶器製で、何かものを落とすなどしてヒビが入らない限り、本体部分は、かなり長い間使用できます。(例えば50年程度)しかし、タンクの部品や配管接続部のパッキンは10年~20年程度の寿命です。(便器の変遷)【1967年】国産初の温水洗浄機能付便器を発売。【1970年代前半】水不足問題が深刻化。この当時の便器の洗浄水量は16L/回54