タイトル:職人・工務店のためのリフォームマニュアル 計画立案編

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概要

職人・工務店のためのリフォームマニュアル 計画立案編 の電子ブックです。平成27年度発行 編集・発行 全国建設労働組合総連合

3-10.断熱材の設置(1)断熱材の設置の基礎知識1断熱材の設置による体感温度の違い断熱材を適切に設置すると、夏の冷房や冬の暖房エネルギーを減らす効果や室内環境を快適にする効果があります。暑さや寒さの感覚としての「体感温度」は、壁や床の表面温度に影響されます。体感温度は、室温と表面温度のほぼ2分の1とされ、冬に同じ温度で暖房した場合でも、壁や床が冷たい部屋では寒く感じます。平成11年省エネ基準で適切に断熱化された住宅では、外からの冷たい温度が伝わりにくく壁などの表面温度が下がらないため、断熱をしていない住宅よりも体感温度が高くなります。2結露の発生人の呼吸や、炊事や入浴などにより、室内は屋外よりも水分が多く発生します。断熱や換気が不十分だと、水分を含んだ室内の温かい空気が、温度の低い壁などで急に冷やされて表面に水滴として付着する結露となります。表面結露は、特に、北側の暖房のない部屋で起こりやすい現象です。結露は、カビやダニの発生源や、仕上材や構造体を痛める原因にもなります。また、結露は冷えた壁や窓ガラスの表面結露だけではなく、気密が不十分な壁の内部でも起こります。壁の内部に水蒸気が入ると、温かい空気と外の冷たい空気の境目となる断熱材の冷たい空気側で発生する壁体内結露が生じます。こうした壁体内結露は、一般に外が寒く室内が暖かい冬に発生しやすいため、断熱材の室内側に防湿層を設けて、壁体内への水蒸気の浸入を防ぎます。防湿層が不要な発泡プラスチック系断熱材であっても、屋外側に合板など透湿抵抗の高い材料がある場合は、結露が発生しないように防湿層を施工します。壁体内に入り込んだ水蒸気を逃がす通気層も重要です。138