タイトル:職人・工務店のためのリフォームマニュアル 計画立案編

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概要

職人・工務店のためのリフォームマニュアル 計画立案編 の電子ブックです。平成27年度発行 編集・発行 全国建設労働組合総連合

3-4-2.屋根(1)屋根リフォームの基礎知識住宅の外部で最も過酷な状況にさらされている部位が屋根です。外壁は目にふれやすく触ることもできるので劣化の状況を把握しやすいのですが、屋根は、上ってみないと分かりませんが、新築からの経過は外壁と同じだけ経っているので、種類にもよりますが、外壁が痛んで来たら、屋根の方が数段、劣化が進んでいると見た方が良いでしょう。したがって、屋根と外壁は同時にメンテナンスやリフォームを行うことがベストです。1屋根材の種類1)粘土瓦瓦は焼き物であるため瓦そのものの耐久性は高く、50~60年持つと言われています。その種類によって、和型や洋型が、焼成方によりいぶしや釉薬系があり、耐候性では釉薬系が優れています。瓦においてメンテナンスやリフォームで問題となってくるのは、その施工法で、古い年代ほど、平瓦(桟瓦)の留めつけが少なく、地震や風などの外力によりズレが生じていることが考えられます。平成3年と平成15年の公庫仕様書で改定されています。もう一点、捨て谷等がある場合は、その部分はカラー鉄板やガルバリウム鋼板でつくられるので、その部分の耐久性はその性能に依存し、いくら瓦葺きだといっても注意が必要です。同様のことが洋瓦葺きのケラバで、カラー鉄板等を使用する納まりとなっている場合があるので、これも注意を要します。外壁の塗替えの際は、瓦のズレ等についても点検補修が必要となります。2)セメント瓦、厚型スレートこれは瓦の形をしていますが、焼き物の瓦ではないので、表面塗装によりその耐久性が変わります。窯業系のサイディングと同様に2コート2ベークなどの仕様と塗装の種類により、その塗膜性能が異なり塗替えのサイクルは10~20年となります。これらの瓦の留めつけ方法や捨て谷などの注意点は、瓦と同様です。また、モニエル瓦の場合、塗膜下に着色スラリー層があり、スラリー層の凹凸のため汚れやコケの付着や、塗替え後の剥離が生じやすくなります。塗り替えの際は、「スラリー洋瓦用シーラー」などで下地調整します。3)化粧スレートこれは、昔カラーベストと言われた製品で、内容的には「セメント瓦、厚型スレート」と同様に塗装品なので、その塗装仕様により塗替えサイクルは異なり、10~20年となります。捨て谷などの注意点は、瓦と同様ですが、表面の塗装の劣化が進んでいる場合は、スレートが水分を含み脆くなっている場合があり、この場合は、下葺き材まで痛んでいる恐れがあるので、葺き替える必要があります。また、化粧スレートは葺き替えの際に、アスベストの含有の可能性が平成16年の製品まであるので、撤去作業や廃棄に102