タイトル:職人・工務店のためのリフォームマニュアル 計画立案編

ページ
103/156

職人・工務店のためのリフォームマニュアル 計画立案編 の103ページ目の概要です。

各ボタンで、目的のページを開いてください。

概要

職人・工務店のためのリフォームマニュアル 計画立案編 の電子ブックです。平成27年度発行 編集・発行 全国建設労働組合総連合

ニウムなどの基材となる金属板に、メーカーにより特色のある塗装を施し、錆びにくくした金属成形板で、単板のものと発泡系断熱材挟み込んで成形したボード状のものがあります。一般的に、モルタルの外壁に比べると軽量で、施工性に優れています。金属系サイディングの特徴は、その重量が坪当たり平均12~23kgで、窯業系サイディングの約1/3、ALCの約1/5、モルタル塗りの外壁の約1/10という軽さで、厳密な計算をすれば建物重量を軽くするため、耐震に有効です。また、サイディング同士の接続部は嵌合接合なので、地震の揺れなどによる変形に対応し、ひび割れ等が起きにくい形式になっています。各メーカーともに、錆びにくくしかつ塗替えなどのメンテナンス期間を延ばすために、特徴ある基材や窯業系サイディングと同様に、表面にシリカやフッ素などを塗布して静電気を抑え汚れが付きにくくしたもの、酸化チタンを塗布し紫外線により有機物を分解するものなど様々な塗装を施してあります。一般的なポリエステル塗装やポリウレタン塗装では、10年ほどで塗替えのタイミングとなりますが、フッ素系の焼付塗装では、最初の塗替えまでの期間が20年まで延びます。短所は、窯業系サイディングと同じように納まり等で切断した面で、切断面は基材となる鋼板等が表しの状態になることで、塗装面より格段に錆びる可能性が高くなります。通常であれば、切断面にタッチアップの塗装を施して、更にその切断面をなるべく表に出さないディテールを採用するのが普通ですが、メンテナンスに当たっては、こうした場所に、注意することが必要です。またこうした場所は、窯業系サイディングと同様にシーリング納まりとなっていることが多く、シーリングの劣化が問題になります。また、準防火地域などの基準法の改正にも注意する必要があり、延焼の恐れのある部分の外壁材として、防火認定が取れているかどうか確認してください。3)モルタル塗りの外壁窯業系サイディングが登場する前は、1980年代までのほとんどの住宅がこのモルタル塗りの外壁でした。湿式で下塗り→中塗り→上塗りと工程がかかることと、職人の腕が必要なことでだんだんと減ってきましたが、根強い人気があります。モルタル塗りの外壁は、木摺下地にラス網を留めつけ、その上にモルタルを塗り、塗装して仕上げます。ラス下地の場合のモルタルの調合は、セメント:砂=1:3です。ラス下地の場合の標準的な塗厚は、下塗りはラスこすりと言われラス面より1mm程度厚くし、むら直しで0~9mm、中塗りで0~9mm、上塗りで6mm程度に仕上げます。0~9mmとは、その工程を省くことも厚という意味と、塗り総厚に対する1度に塗る最大限度を指しています。ラスこすりの乾燥期間は2週間以上、また、むら直しの乾燥期間も2週間以上と工期を要します。最大の弱点は、ひび割れで経年変化によりクラックが生じてきます。腕のいい職人でもなかなかこのクラックを完全に抑えることは、難しく、一般的に、1mm以下のヘ部位別計画の立案外装リフォーム計画の立案99