タイトル:職人・工務店のためのリフォーム現況検査手順書 第Ⅰ章、第Ⅱ章、資料編

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概要

職人・工務店のためのリフォーム現況検査手順書 第Ⅰ章、第Ⅱ章、資料編 の電子ブックです。平成29年度発行 編集・発行 一般社団法人 全建総連リフォーム協会

Ⅰ-2住宅は必ず劣化する前項が、会社の経営的な視点からみたOB顧客への対応の必要性・優位性とすると、ここでは「対象となる住宅」に視点を向けて考えましょう。住宅は、「家」という一つの塊で構成されているものではなく、「木材等の自然素材」・「各種金属やプラスティック等の工業部品」やこれらを組み合わせた「工業製品」から構成されています。この各素材や部品を組み合わせ、そこに工業製品を据え付けて住宅として成り立っています。この為、これらの素材・部品・工業製品にはそれぞれ「耐久性能」に違いがありその耐久性には限界があります。さらには、日常の生活の影響による「使用劣化」や「破損」、天候等の外的要因による「環境劣化」の影響も受けます。放っておくことでこの耐久限界が早まることはあれ長くなることはありません。この劣化に対する対応を怠ると「居住性の劣化」や「光熱費等のライフサイクルコストの増加」、「破損の際の補修費用の増加」、「各製品の耐久年数の縮小」へと繋がり、1回の交換で済むものが複数回の交換や補修費用の増加など最終的に住まい手である消費者の負担の増加へとつながります。消費者の目線で見ると「まだ使えるから」とか、「我慢すればいいから、大丈夫だと思った」といった形で何も手を打たなかった結果、余計な出費が発生するのも良くある傾向です。マンション等の集合住宅では、共有部分に関する定期補修の考えが浸透しているため、建物そのものへの影響は少なくなるでしょうが、戸建住宅の場合はその考えの浸透が小さく最終的に建物そのものへの影響が出る可能性もあります。一般的に、防蟻に関しては5年毎の対応が必要で外壁や屋根等は10年から15年におけるメンテナンスやシーリングの補修が必要です。また、住設機器に関しては適正な補修やメンテナンスを怠ることで破損の可能性だけではなく火災等の引き金にもなりかねません。全建総連リフォーム協会では、この住宅のメンテナンスの必要性をお客様に説明して理解いただき適切なメンテナンスを行う事をご提案します。各部位の劣化と補修の必要性に関して、代表的な例を次ページに記載します。各部位に使用する素材によっては、補修や点検の時期も違いますので、部位別・素材別の詳細の情報は資料として添付しますので、お客様への説明をする際の資料としてご活用ください。当然、メンテナンスに関してはプロである事業者の対応だけでなくお客様自身が行うお手入れも必要です。これらの資料(案内チラシ)等も用意しますのでご活用ください。―4―