タイトル:職人・工務店のためのリフォームマニュアル《見積り編》

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概要

職人・工務店のためのリフォームマニュアル《見積り編》 の電子ブックです。平成28年発行(ver1.0) 編集・発行 全国建設労働組合総連合

○工事内容に合わせ依頼者がどのような工事が?われるのか分かるようにつくる前ページの2つの見積書は、実行予算書を基に見積書を作成したものですが、項目の表現の仕方が異なります。2が材料と手間を分けたいわゆる材工分離といわれるもので、3が材工一式で表現した見積書になっていますが、便器の価格の部分だけは、材工分離として、標準価格を値引いていることを分かるようにしています。依頼主からすれば、人の値段(手間代や人工)は、その時間作業員が働くことを考えると値切りにくいものですが、ネットのホームページで見たり、ホームセンターなどでモノの値段はある程度分かるので、値引きをいくらしているのかなどモノの価格には敏感です。こうした意味からは、材料と手間を分けた方が依頼主にも分かりやすい見積りになるのと、ここでは普及品で入っているクロスをテクスチュアのある良いものにするなどの依頼者の希望に沿った仕様変更に対応しやすく、その部分だけの価格変更で対応可能です。しかし、若干作成に手間が掛かるので、どちらを選ぶかは微妙なところがあります。○10%以上の経費は、施主に?きく?えるので?積り上の経費の?せ方を決める見積書の経費の割合は、依頼主にとって気になるところです。いくら3割の経費がないと工務店の経営がうまくいかないなどの話をして、分かって頂く努力をすることそのものに時間が掛かりますし、他社との比較にもなります。したがって、経費の見え方は10%程度として、他の項目に金額案分で上乗せを行います。○分かり易く工事対象項目ごとにつくる-1次ページにあるのは、これらの場所や部位ごとの見積書をまとめた集計表になります。この作成についても、木工事や左官工事がいくらという見積書では、どの部屋の何がいくらか解らないので、結果として依頼主にとって分かり難いものとなります。場所や部位ごとの見積書にするとどこにいくらかかっているのかが、分かりやすいのと金額が合わない時、どの部分の工事をやめると良いのかや、逆にオプションで手摺りを付けるといくらになるのかなど、様々な依頼主とのやり取りが、スムーズに進みます。○分かり易く工事対象項目ごとにつくる-2実行予算書のフォーマットは、想定される工事項目をあらかじめ見込んで作ります。水廻り全体の改修をセットとして1トイレ、2浴室と洗面脱衣室、3キッチン廻りの3つの場所に対応します。外部廻りセットを1屋根、2外壁、3バルコニー防水、4基礎で作ります。基礎の塗替えまではいらないとかいった要望にもすぐにこたえられます。内装は、部屋毎を単位として作ります。標準的には、今はやりの床をフローリングにする改修は、結構金額が張る可能性が高いので、オプション工事として算出します。また、内部建具の交換もオプション工事として算出しておくと、打合せ時に便利です。86