タイトル:職人・工務店のためのリフォームマニュアル《見積り編》

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概要

職人・工務店のためのリフォームマニュアル《見積り編》 の電子ブックです。平成28年発行(ver1.0) 編集・発行 全国建設労働組合総連合

3.新築と異なる作業を伴うリフォーム?事では、その費?を?込むことが必要1調査・ヒアリングが必要新築工事と異なりリフォーム工事では、どのような部分がどのように劣化等を起こしているのかを把握するために既存住宅の調査が必須となります。可能であれば、調査は家丸ごと全部について「既存住宅現況調査報告書」に基づき行いたいところですが、トイレやキッチンといった部分的なリフォームにおいては、その部分だけとなることもやむを得ません。ただし、報告書の作成にあっては、全体のものを使用し、必要な部分だけを行った旨、依頼主に説明を行います。調査に入る前にヒアリングを行い、要望を聞き出すとともに、他の不具合部分などやこれまでのリフォーム履歴などを聞き出します。ヒアリングの時間は最大2時間程度として、その後の調査も最大2時間程度とします。調査・ヒアリングを行った内容は、「既存住宅現況調査報告書」に4時間程度でまとめます。この報告書を基に計画案を作成し、計画案の説明時に調査内容の報告を行います。在来型の浴室をユニットバスに変えるなどの場合は、土台、柱、梁下地材などの腐朽等の傷み具合が壊さないと分からない部分がある場合は、これらを取り変えることを前提として見積り計上しておき、必要が無かったら減額する旨を依頼主に説明する。耐震改修や省エネ改修の場合など軸組みに関わる改修については、同様の措置を行うこととします。計画に際しては、本来、新築時の図面(平面図、立面図、矩計図等)があると、安心して計画や施工ができますが、もし図面等が存在していない場合は、調査時に900メッシュの紙を用意して、大まかな間取りと柱の位置、階段の高さ(○○×○段)天井高、玄関の土間高さ、床高さを調べておくと図面作成時に助かります。計画案の作成については、見積りや工程も含めて小規模のものは4時間程度で、全体リフォーム等では8時間程度でまとめるものとします。また計画案の説明についても最大2時間程度で説明を行い依頼主の承諾を得ます。計画案の説明では、仕上げの材料や設備機器の種類など、前もって自社仕様をそれぞれA4 1枚程度に図版入りでまとめておくと便利です。計画案が修正になった場合には、改めて仕様等を変更し、再度説明を行いますが、計画案は2回程度で契約に持ち込めるようにします。2解体・撤去や廃材処分が必要先の在来型の浴室をユニットバスに変えるなどの場合は、浴室の床をかさ上げするために無筋コンクリートが打設され、壁の腰部分を木材の腐朽を避けるためブロック積みとしている場合が多くあります。このような場合、これらの解体で多くのコンクリート殻が出るだけでなく、必要な基礎部を壊さないようにする配慮や隣家が近い場合にはブレーカーの騒音等への配慮64