タイトル:職人・工務店のためのリフォームマニュアル《見積り編》

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概要

職人・工務店のためのリフォームマニュアル《見積り編》 の電子ブックです。平成28年発行(ver1.0) 編集・発行 全国建設労働組合総連合

見積基書本作的成なの考え方5-3計画・確認リフォーム工事の計画は、住まい手の立場に立って考えた場合、「資金計画」と、「工事内容の計画」に大別することが出来ます。逆に言うと、新計画が出来ていない場合、どんなに満足のいく工事計画であっても、「絵に描いた餅」の状態になります。リフォーム工事の多くの場合、お客様は一定の予算計画が出来てから、リフォーム工事を検討するのが殆どです。その上で、資金内での工事を想定し希望工事を決める事になります。提案者は、その事実をベースに工事予算の推定を行い、計画を行う必要が有ります。その予測をするために、リフォームローンの知識や税制優遇の知識が必要になります。その提案や優遇額のシミュレーションを行う際に、お客様に費用の大枠を確認することが可能になります。また、ヒアリングを行いリフォームの計画を行う際に概略の工事金額を算出し、お客様の予算内にあてはまるかの確認をすることも必要です。ヒアリングのタイミングであれば「この工事範囲であれば、概算で○○ぐらいかかりますが、結構ですか?」と聞くことも有効です。但し、概略の幅が大きくずれるわけにはいきませんから、自社の工事別予算の把握が必要になります。また、金額そのものよりその算出方法への理解が必要でしょう。住まい手にとっては、相見積りを取ったら同じ工事を依頼しているのに、何故、根拠になるべき数量が違うのか、解らないのも当然かもしれません。同じ結果を想定しているのですから。しかし、建材の仕様ロスに対する考え方や梱包単位での発注しか出来ない建材などによって数値に違いが出るのは当然ですし、採用する工法によっても違いが出るでしょう。リフォーム工事の計画を立案する前提条件として、既存住宅の現況調査では、該当する住宅の建築年代から、おおよそその住宅の仕様を判断し、注意すべき調査部位や場所を予測しながら行うこととしました。その現況調査の際に、新築時の図面等が残っていない場合、目視の調査では分からない構造体の耐震性や断熱性能のグレードに関する性能の予測、また、水廻りについては壁体内部の腐朽や白蟻被害に関する劣化の予測を、建築年代から場所や部位に応じて行う必要が出てきます。リフォーム計画の立案当たっては、「既存住宅の現況調査」とこの「見えない性能と劣化の予測」に基づき当該住宅の「補修すべき劣化事項」を踏まえた上で、「住まい手の具体的な要望事項」を満足させるために、住まい手の年齢や今後のリフォーム必要性を考慮し、提案することが基本となります。29