タイトル:職人・工務店のためのリフォームマニュアル《見積り編》

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概要

職人・工務店のためのリフォームマニュアル《見積り編》 の電子ブックです。平成28年発行(ver1.0) 編集・発行 全国建設労働組合総連合

○ヒアリングにおいて確認しておきたいこと見積書を作成するために、ヒアリングの際に確認をしておきたいことがあります。対象となる住宅の状態は、調査で確認が可能ですがお客様が希望している仕上がりの状態(グレードやイメージ)の確認や住宅を取り巻く近隣の環境や目に見えない条件等の確認が必要です。また、リフォーム工事の計画や見積書の作成に最も影響を与える「予算」の確認または、予算を推測するために必要な情報の取得は行っておきたいところです。1)リフォームの目的(原因)が、状態の回復か性能(機能)の向上か?補修または同等品との交換で対応するか、ワンランク上の機能を持つ建材や新たな効果をプラスした機能の状態にリフォームするかでは、リフォーム工事の計画や見積書の作成に大きな違いを及ぼします。特に性能向上のリフォームを提案する場合、工事個所の拡大が起こることも多々あります。お客様にとって良かれと思い提案する内容も、工事規模の拡大や費用の増加を伴うため、場合によっては「工事のボリュームを上げるための措置」と捉えられる可能性もあります。リフォームを考えている原因が、破損や劣化だけでなく「寒い」や「不便」「うるさい」などの機能に対する不満である場合は、そのまま記録するだけではなく、どのような対応が必要か説明を行いお客様の反応を確認しましょう。ここでは、仕上がりのイメージや色、希望する機能の確認も必要です。2)複数の箇所のリフォームが必要な場合、優先順位を確認する。ヒアリングを行う中で、複数の要望が上がってきて、当初お客様が考えていた規模より大きな工事の計画・見積りの提案を行う事になる場合も多々あります。リフォーム工事の場合、お客様が想定している予算規模が、工事の目安になります。どんなに完璧な提案であっても大幅に予算オーバーした提案は、受け入れ難いものです。状況によっては、優先順位の低い工事を外し予算の枠内に収める提案も必要となります。結果的に、想定外の値引きやサービス工事の追加等を防ぐことにもなります。また、お客様の優先順位を確認しておくことでどの箇所に重点を置いた計画を作成するべきなのか確認できる点も計画や見積作成に優位に働きます。ただし、調査等の結果、雨漏り等で構造に影響を及ぼす箇所やガス・電気等の緊急対応が必要な箇所等が発見された場合は、必ず報告し対応を行うよう提案をします。24