タイトル:職人・工務店のためのリフォームマニュアル《見積り編》

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概要

職人・工務店のためのリフォームマニュアル《見積り編》 の電子ブックです。平成28年発行(ver1.0) 編集・発行 全国建設労働組合総連合

5-1ヒアリングヒアリングの目的は、お客様の住宅に対する不満・不安・リフォーム工事の依頼内容を確認して整理を行い、提案する工事に関する方針、工事範囲の想定に向けて行う業務となりますが、それだけではなくお客様と事業者の間で信頼関係を構築する場として大きな位置を占めます。なぜなら、このヒアリングを行う事業者の姿勢や対応によって消費者が事業者に対して持つ印象を左右することが多々あることからも言えます。事実、工事全般におけるクレームの多くが、「打ち合わせの時にこちらの話をほとんど聞いてなかった。」「メモも取らなかった。」「頼んだことと違う工事をされた。」と、打ち合わせやヒアリングに関連する事柄につながるものとなっています。お客様は、打ち合わせやヒアリングにおける事業者の対応力を重要なものとしてみています。その対応によって、相手を信頼できる相手か、どうかの判断する材料として重視しています。しかし、事業者側では技術力を背景とした「良い仕事」をすることが大切で、その結果がお客様の満足度を呼ぶものとして対応されている傾向があります。【図12事業者と消費者における意識のズレ】しっかりとした技術でいいものを作るのは必須となるでしょう。しかし、お客様が満足する「良い仕事」の中には、「技術力」だけではなくお客様との意思の疎通ができる「コミュニケーション力」も含まれていることを考えるべきです。ヒアリングは、見積書を作成するうえで「顧客の要望と計画の概要を把握する」上で重要な位置を占めますが、「作成した見積書に対する顧客の信頼度を上げる」上でも、大切な位置を占めます。何故なら、提案をしてくる相手が、信頼できる相手かどうかによって顧客が見積もりの内容に対して持つ印象が大きく左右されるからです。ヒアリングにおいて、確認すべき項目や顧客の要望は物件によってまちまちとなります。このため確認すべき項目は調査の段階で行うものとし(内容によっては、ヒアリングが調査を兼ねる場合もある)、ここでは、お客様との接触におけるポイントについてまとめます。ここで、ポイントとなるのは当然のことですが「相手」がいることです。相手がいる以上、自分が理解していることを相手に伝え確認を行う必要があります。22