タイトル:職人・工務店のためのリフォームマニュアル《見積り編》

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概要

職人・工務店のためのリフォームマニュアル《見積り編》 の電子ブックです。平成28年発行(ver1.0) 編集・発行 全国建設労働組合総連合

見積基書本作的成なの考え方4 ?積書作成の前に消費者の不安の解消見積書の提示を、最終的なプレゼンテーションとして捉えた場合、消費者が持つ不安に対する解決は必須となります。少なくとも、消費者が持つ疑問や不安に対して対応することが前提となります。消費者が抱える不安は代表的なものとして以下のポイントが挙げられます。1)事業者に対する不安工事の依頼を行おうとする事業者が、信頼できる事業者かどうかの判断。これは、従来からの付き合いや周囲からの紹介を問わずに、ヒアリング等の交渉過程の中でお客様が判断します。不安を感じている事業者からの提案の場合、有効な提案であっても無意識に警戒心が働くものです。逆に言うと、信頼を受けることが出来ればお客様からの質問など積極的にご対応いただくことも可能になります。2)?額に対する不安これは、提示される金額に対するより何故その金額が導き出されたのかが分かりにくい事にあります。消費者の場合、建築に関しての知識が浅く、算出方法や数量の割出、単価の算出の仕方が不透明な場合、理解しにくいものです。相見積もりとなった場合、同じ工事を依頼したはずなのに、会社によって算出されている根拠数値や単価が違うことがより不安を大きくします。相場や適正価格が分からないので、提出された見積書が適正かどうか判断できずに自分にとって都合がいい方を選びがちになります。3)?積書の内容に対する不安見積書によっては、一式工事という表現で明細が無く分からない場合があります。また、運搬費や現場経費が計上されている会社と計上されていない会社や見積書に含まれていない別途工事があるにもかかわらず、その旨が記載されていない場合もあります。このような場合、追加変更工事が発生した場合どうなるのか不安になります。4)工事内容に対する不安どのような材料や仕様を使って工事をするのか記載されていない見積書やどの位の工期が掛かるのか明確でない見積書など、どのような工事が行われるのか不安になります。ひどいときは、解体しないとわからないと言われるなど問題とされている例は、意外と発生しています。また、前述したように工事範囲に関する説明が不明瞭な場合もあり、工事の依頼を行う事に躊躇することもあります。これらの問題解決には、見積書の記載方法の変更や提示した際の説明によって解決できるものから、別途、図面や工程表の添付など付属の資料が必要なものまであります。19