タイトル:職人・工務店のためのリフォームマニュアル《見積り編》

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概要

職人・工務店のためのリフォームマニュアル《見積り編》 の電子ブックです。平成28年発行(ver1.0) 編集・発行 全国建設労働組合総連合

見積基書本作的成なの考え方2事業者にとっての?積書と消費者にとっての?積書リフォーム事業者の方々からよく「見積書のフォーマット、書式が欲しい」「計算が簡単にできるものはないか?」との要望を聞きます。実際の見積書作成の作業と時間を考えるとこの要望もわからないではありません。しかし、実際に大変な思いをして作成した見積書は、お客様にとって分かりやすい見積書になっているのでしょうか?実際に作成された見積書を、主婦の方を中心に複数の消費者の方に見ていただき感想を頂いたことがあります。その際に使用した見積書は、一般的に優良と言われる複数の工務店が実際にお客様に提出した見積書から10部ほど抽出して見積書だけで確認いただきました。確認いただいた見積書は、工事規模の違いや設備機器の入替等、一式見積もりから材工分離の記載がされた見積もりまで用意しました。見積書の記載方法は、工種別に記載されているものが多く使用される材料等の表記もされ、施主に見やすく工夫された見積書となっていました。しかし、一般の方の反応は、「わかりにくい」の一言で統一されたものでした。最も多かったのが、「見積書に載っている単語そのものが殆ど分からない。見積書によっては、多少の説明や補足があるが、説明を受けないと単語そのものが分からない。」でした。確認いただいた方々の年齢層が30歳~40歳の層の主婦であったからでもありますが、一般的に考えて木材や面材など本数や枚数で数えるものが、何故m2やm3、箱、束で計算するのか、そこで使われている数字が本当に正しいのか、さらには、記載されている単語や数字に関してもともとの言葉の意味が分からなければ、疑問が発生し不安が膨らむことも当然でしょう。また、見積書の見栄えも考えてすっきりとした見積書として作成したものの、必要な情報(計算根拠等)が省かれた結果、わかりにくくなってしまったのかもしれません。お客様にとって、最終的に工事に係る金額がいくらであるのかは、最も重要な情報だと言えますが、「何故、提示されている金額になるのか」、「いらないものはないのか」、判断する為にも、その過程も重要な情報として捉えられていると考えるべきでしょう。13