タイトル:職人・工務店のためのリフォームマニュアル《見積り編》

ページ
16/162

このページは 職人・工務店のためのリフォームマニュアル《見積り編》 の電子ブックに掲載されている16ページ目の概要です。

「このページを開く」か「最初のページを開く」で、ぞれぞれのページが開きます。

概要

職人・工務店のためのリフォームマニュアル《見積り編》 の電子ブックです。平成28年発行(ver1.0) 編集・発行 全国建設労働組合総連合

2.?積書作成の基本的な考え?1価格の透明性に向けた取組の必要性リフォーム業界は、一般的に価格が見えにくい業界として認識されています。これは、工事の対象となる工事が新築と違い、すでにある住宅であり工事内容が目に見える範囲以外に及ぶ場合が殆どで、リフォームを行うかどうかの判断がされていない状況で目に見えない部分を予測し工事価格を算出する必要があるためです。また、住宅の状況によっては、想定外の工事が発生する可能性もあり別途、工事を行う必要が、発生する可能性もあります。しかし、消費者にはこの理由が理解されにくいため、常に価格に対する不安が付きまとうことになります。前述した「図7住宅のリフォームを行う際に不足していると感じる情報」でもわかるように、消費者の半数近くが「見積もりの相場や適正価格が分からない」ことを不安要素として挙げ、価格が不透明であると考えているのが実情です。この価格を不透明だと感じていることが、事業者選定の不安へと繋がっているのが現状といえるでしょう。住宅の状態適正価格リフォームを手掛けている事業者の多くが、その対応の検討を行っていますが、その取り組みが充分に取られていると感じている消費者がまだまだ少ないのが現状と言えます。一時期、リフォーム工事(特に外装工事や躯体に関係する工事)では、事前の見積もりは提出するものの最終的には、「壁をはがして中を見ないと工事金額の確定は出来ない」とした交渉を消費者と行っていた事業者も多数いました。これでは、消費者がこの工事がいくら掛かるのか不安になるのは当然といえます。この結果が、多くの消費者が「m2単価〇〇万円」「○○工事〇〇円」といった、定価型のリフォーム提案の選択へ流れていった要因の一つかもしれません。12