タイトル:REFORM COMPLIANCE MANUAL リフォーム事業者に求められるコンプライアンス

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概要

REFORM COMPLIANCE MANUAL リフォーム事業者に求められるコンプライアンス の電子ブックです。一般社団法人 全国住宅産業地域活性化協議会

調査現況調査に対する注意点1.住宅の調査範囲○点検口がなく調査不可能な場所などの不具合については調査できないことを説明します。○腐朽やカビ、雨漏りについては、点検口から進入したり、一部解体したりしないと診断が難しい不具合です。日経ホームビルダー2016年5月号の「特集インスペクションの付き合い方誤診しやすい劣化事象とよくない言動」で中古住宅のインスペクションの難しさについて記事としていますが、その内容は、調査全般に関わるものなので、いくつか事例を抜き出して紹介します。事例雨漏りが原因の外壁に生じているクラックや塗装の原因を判断できなかった事例雨漏りが原因でないシミや変色雨漏りが原因でない赤外線カメラの温度の低い箇所詳細築17年の住宅で、売買契約前のインスペクションで外壁にクラックが多数生じていたが、ひび割れ幅が最大0.7 mmのため、雨水の浸入は伴わないとした。バルコニーの床がふかふかしていると記載したが、木部の腐朽の可能性について言及しなかった。売買契約後にバルコニー周りに雨漏りが発生し、仕上げを剥がすと木部が腐朽していた。押し入れ内部の壁に染みがあったが、上階や隣に水廻りはなく、外壁から離れているため結露とした。野地板の変色箇所の垂木や天井の仕上げ材を触診して、湿り気がないため、建設時の染みとした。赤外線カメラで検査した現場の天井の温度が低くなっていたが、室内を不圧状態にしたところさらに温度が低くなったため、雨漏りではなく断熱欠損と診断した。(日経ホームビルダー2016年5月号「特集インスペクションの付き合い方」事象4、6、8、診断13を参考とした)2)木部の腐朽とカビの区別木部の腐朽とカビの区別を目視のみで行うことは難しいといわれています。カビは、表面の埃や内部の栄養素をもとに繁殖しますが、腐朽菌は木材のセルロースを栄養源としているため、木材の強度の低下を招きます。腐朽による木材の強度の低下は、木材ごとの側面を打診して判断します。また、玄関土間や在来浴室など人が入れない箇所は、腐朽や蟻害が生じやすい箇所でもあるため、特に注意します。5