タイトル:REFORM COMPLIANCE MANUAL リフォーム事業者に求められるコンプライアンス

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概要

REFORM COMPLIANCE MANUAL リフォーム事業者に求められるコンプライアンス の電子ブックです。一般社団法人 全国住宅産業地域活性化協議会

資料編国民生活センターが公表している最近の7つのリフォーム相談事例-66.高齢者をねらい次々と契約をさせる住宅リフォーム業者[2006年8月18日:掲載]複数のリフォーム業者を転々としている営業担当者が、一人暮らしの高齢者をねらい、数年にわたり次々と契約させた事例を紹介する。○相談内容訪販リフォーム業者Aの営業担当者Xが、「自分がお金を支払うから契約しても心配ない、支払いは必要ない」などと言い、念書まで書いて渡してくれたため、信用して補強金具取付工事の契約をした。しかし、支払い請求があったので、業者Aに対して担当者Xが書いた念書を見せ、自分には支払い義務がないと主張したところ、業者Aからは「すでに担当者は辞めており会社とは関係がない、会社もだまされた」と言われ、まったく相手にされなかった。そのため、担当者Xに連絡したが連絡が取れなかった。自分は、担当者Xにだまされたのではないか。お金は支払わなければならないのか。(70歳代女性無職)○処理概要相談者から地元の消費生活センター(以下、受付センター)に相談があった。受付センターが相談者に対して、ほかにも契約しているものがあるかと尋ねたところ、ほかにB、C、D、E社と契約を結んでいたことが判明した(計5業者)。契約書の内容を受付センターが検討し、各業者に事情を聞くために連絡をしたところ、業者Bはすでに倒産していた。また、その他の業者との契約書も、相談者が署名したものではないこと、すべての契約に関して、連絡が取れなくなった担当者Xが関与しており、契約書にXの氏名が記載されているということが判明した。受付センターは、相談者に対してどのような経緯でこのように次々と契約を結んだのかと尋ねたところ、担当者のことを「自分の話を聞いて親切にしてくれていい人だったから」「念書まで書いてくれたから」などと、全面的に担当者Xのことを信頼していたため、自分がだまされているという意識は、当初はまったくなかったという。なお、この段階では担当者Xが相談者に対して書いた念書は見つからないと言うため、受付センターは相談者に対して念書を探すように依頼をした。また、受付センターは相談者に対して今までの支払いはどのようにしていたのか尋ねたところ、契約金額が高額になり支払いが困難になってきたため、担当者Xに相談をし、その際に自分の通帳を見せ「お金がもうない」と言ったところ、消費者金融に連れていかれ10万円を借りさせられてXに渡した。なぜ、お金を渡したのか尋ねたところ、ローンの振り込みに充てるものと思っていたという。さらに、受付センターは工事内容が適正に行われていたか否か確認するため一級建築士に相談者の自宅を調べてもらうことを依頼し、一級建築士に調査報告書を提出してもらった。調査報告書によると、(1)小屋裏の補強金具の一部にねじの止め不足があり、工事費に見合った工事内容であるか疑問がある、(2)床下補強について、補強効果の見込まれない部位にも工事が施されている。また、金物の傾き、ボルト不足等、施工精度の悪い所が見受けられる、(3)床下の調湿剤の効果があるのか疑問がある、(4)台所床下補強についても、施工精度に問題があるという結果であった。57