タイトル:REFORM COMPLIANCE MANUAL リフォーム事業者に求められるコンプライアンス

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概要

REFORM COMPLIANCE MANUAL リフォーム事業者に求められるコンプライアンス の電子ブックです。一般社団法人 全国住宅産業地域活性化協議会

資料編国民生活センターが公表している最近の7つのリフォーム相談事例-11.耐震工事のための床下点検で基礎に大きな穴を開けた工事業者[2010年12月27日:掲載]シロアリ駆除や耐震工事などの契約が契約者の亡くなった後に発覚した事例。○相談内容父が亡くなった後、家の中を整理していたら亡くなる数カ月前にシロアリ駆除や耐震工事の契約をしていることが分かった。高齢者をだまして不必要な工事をしたのではないか。契約相手と交渉して半額返金、基礎に穴を開けた部分については補修することを約束させたが、基礎を破壊しているのはおかしいので全額返金してほしい。(60歳代男性自営・自由業)○結果概要国民生活センター(以下、当センター)で相談者に聞き取りを行ったところ、建築業者の下請け業者(既に倒産)が防蟻(ぼうぎ)用床下ファン、調湿材の設置および基礎にひびが入っている個所に金物を設置したとのこと。また、洗面脱衣室、トイレの床下の基礎に人が通れるほどの穴を開けていることが分かった。建築業者は、基礎に穴を開けた部分については耐震設計専門の建築士と相談して荷重のかからないドアの下を選んだというが、穴を開けなくても床を外して点検できたのではないか。また穴を開けることについて説明された書面はない。相談者は土台から上の部分を持ち上げて基礎の作り直しを建築業者に求めたが、建築業者は基礎に開けた穴はコンクリートで埋めると回答してきた。そこで、当センターは相談者に送付してもらった資料を専門家(建築士)に見てもらい、助言を求めることにした。資料によると防蟻工事は約90万円、耐震補強工事には約20万円の費用が支払われていた。(1)住宅相談その1(防蟻や耐震)専門家から次の指摘があった。1木材のようすや床下の高さを見る限り、シロアリの予防工事に緊急性はまったくなかったと思われる。2技術的な裏づけもなく基礎を壊したのであれば過失として重い。3施工されているような鉄板や鉄骨による工事では耐震補強工事とはならない。契約は建築業者と父親との契約となっており、下請けが倒産していることは関係ない。相談者は、建築業者から現在の状態で耐震診断などを行うように言われたとのことだった。当センターは「耐震診断や構造計算は工事前に行うもので工事後に求めること自体が間違っている。まず基礎補修工事について建築業者より案を出してもらうように」と相談者にアドバイスした。(2)住宅相談その2(耐震補強材の強度と効果)耐震補強工事で取り付けたパワープレート(耐震補強に効果があるという鉄板)について再度専門家の助言を受け、次の回答を得た。パワープレートのパンフレットには強度試験結果が載っているが試験内容が不明確であり、耐震補強の効果が不明である。曲げに弱い無筋コンクリートの基礎を破壊し、人が通れるほどの穴を開けたことについては問題がある。土台より上部の構造物の荷重がかかり、破壊した部分の基礎が底面まで割れ破断している可能性がある。建築基準法上、基礎は一体となっている必要があり、部分的に独立していてはならない。49