タイトル:工務店経営と住宅の維持管理業務から発生するリフォーム提案

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工務店経営と住宅の維持管理業務から発生するリフォーム提案 の40ページ目の概要です。

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概要

2020年 工務店経営と住宅の維持管理業務から発生するリフォーム提案 研修報告書 の電子ブックです。発行:愛知県建設団体協議会

Ⅲ.工務店の経営を考える建設キャリアアップシステムの導入及び働き方改革により工務店業界は大きく変化をしようとしています。1.企業の社会的責任と工務店経営企業には、社会的責任を果たしたうえで企業活動を継続する責任があります。ここでいう社会的責任とは、企業の組織活動が社会の一員として社会や環境に対して経営活動を通して及ぼす影響に関して担うべき責任のことをいいます。具体的にはコンプライアンス、消費者保護、環境配慮、労働衛生安全、人権擁護、社会貢献などの責任が対象となり、この責任を果たすために7つの原則があります。1、説明責任2、法令順守(法の支配の尊重)3、透明性4、国際行動規範の尊重5、倫理的な行動6、人権の尊重7、ステークスホルダー(利害関係者)の利害の尊重社会的責任を果たすことで得ることが出来る最大のメリットは、企業が社会からの信頼を得ることですが、そのほか次のような効果も期待することが出来ます。1.法令違反等の反社会的行為によって事業継続が困難になる事からの回避2.組織の評判・知名度・ブランド力の向上3.健全な労働環境の維持による、社員の雇用・定着、士気向上、労使関係への効果4.消費者とのトラブルの防止・減少・回避5.ステークスホルダー(利害関係者)との関係性の向上6.資金調達の円滑化、組織・販路の拡大、安定的な資材の確保そして、企業が社会的に存在するためには,以下の3つの項目を同時に満たすことが求められます。1適正な企業利益を上げ、事業の継続を図ること2自社の社員(従業員)が満足のいく(幸せな)生活が送れること3災害・公害・危険などを防ぐことはもちろん、地域社会に対する積極的な貢献に努め、社会的責任を果すことこれを私たち建築業に当てはめて考えると、「地域の社会基盤として必要かつ適切な住宅を提供し、適切な維持管理の実施を担う事で、現在から将来に向けた消費者(住まい手)の快適な住生活を守ること」と同時に「適正な企業利益を上げ、事業の継続を行うこと」が求められます。大事なのは、単純に利益の追求だけでなく地域に貢献できる企業として存続することになります。2.社会的責任を果たすにはそのためには、商品となる良質な住宅の提供や維持管理の実施だけではなくその為に必要となる、「知識・技術力の向上」、「生産現場となる建築地や周辺環境の安全管理の徹底」、「良質な労働環境の提供と維持」、「企業としてのコンプライアンスの順守」が必要となるでしょう。特に、建設業にとっては、建設現場における労働災害を防止することは企業が社会的に存在し継続する為の基本的な要件となります。?38?