タイトル:工務店経営と住宅の維持管理業務から発生するリフォーム提案

ページ
16/236

工務店経営と住宅の維持管理業務から発生するリフォーム提案 の16ページ目の概要です。

各ボタンで、目的のページを開いてください。

概要

2020年 工務店経営と住宅の維持管理業務から発生するリフォーム提案 研修報告書 の電子ブックです。発行:愛知県建設団体協議会

3.技能者についての課題大工技能者の高齢化と若年入職者の減少は、この業界において大きな課題であります。技能者育成検討委員会(一般社団法人木を生かす建築推進協議会)では、これまで大工技能者の育成の議論がなされてきましたが、その中で出された課題として次のような事項があげられました。◇大工技能者が若年者にとって魅力的な職業ではない。・手刻み加工等の伝統的な構法を仕事としてできる場は限られており、魅力が薄れている。・社会保障や休みがなく、安定しない職業である。・仕事の評価が曖昧であり、スキルアップやキャリアパスが描きにくい。◇若年大工技能者がきちんと働ける環境が少なく、結果として賃金・生産性の低下を招いている。就業規則・社会保障などが無い事業者も多い。◇新規入職者を教育訓練する仕組みが不足している。4.事業者の課題技能者の課題と同様に事業者についての課題も平成27年度大工技能者の育成の検討報告書(一般社団法人木を生かす推進協議会)に示されました。その中で、安心して入職し、継続して働ける環境づくりの整備を目指すと提言がなされました。【提言】1)賃金2倍社会保険料を含めた大工の生涯賃金が低い現状を勤労者平均給与並みに変えていく。2)週休2日請負大工技能者は、出来高を稼ぐため可能な限り現場に出る長時間労働が習慣となっている。労働基準法に則り適正な労働環境を実現し、休みがない等のきつい労働条件を改善し、継続して働く意欲が持てる環境づくりが必要。3)生産性2倍賃金2倍、週休2日を実現するには、事業者側にとっての生産性の向上が不可欠となり、大工個人の周到な段取りや技能の熟練だけでなく、現場での有効な人員配置や現場監督の兼務など大工の能力を生かす取り組みが必要。5.建設業界における働き方改革このような中、2019年4月1日より施工された働き方関連法が順次施行となることから、大工・工務店においてはその対策が重要となります。(1)労働時間の把握と管理現認や客観的な方法による労働時間の把握を義務化(労働安全衛生法)することが必要。出勤簿は、出・欠ではなく時間管理が求められる事となります。出退勤管理、管理方法は、タイムカードの作成や携帯等のアプリで対応する必要があり始業終業の管理、休憩時間の把握が求められます。また、前提として労働契約書、雇入れ通知書との作成も必要となります。(2)時間外労働上限規制と36協定法定労働時間(1日8時間、週40時間、法定休日週1日の休日)を超え労務を行わせる場合には、36協定の提出が必要となる。また、時間外労働に対しては、上限を月平均80時間、年間720時間(建設業においては2024年4月1日迄)?14?