タイトル:リフォームに関するクレームの実態 -心構えと対処法-

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概要

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説明不足1.説明義務2015年の建築学会司法支援建築会議調査研究部会の「建築設計者の説明義務と説明責任」において専門家に課せられる職能上の最低限の説明責任とは次の項目があげられています。1)アカウンタビリティ(専門家の説明責任と義務)の考え方に基づく説明責任2)インフォームドコンセント(説明と同意)の考え方に基づく説明責任3)コンプライアンス(社会的な規範遵守)の観点からの説明責任(特に建築関連法令の説明等)4)リスクマネジメントの観点からの説明責任(与条件の明確化、紛争予防等の観点等から)5)コスト管理の観点からの説明責任(予算と設計者による工事費概算との関係等)事例に挙げたクレームでは、主に専門家からの観点による説明、リスクマネジメントの観点からの説明が必要だったと考えられます。2.施主と想定されるリスクを共有する工事においては、漆喰の乾燥ひび割れなどどうしても生じてしまう現象や、人間の作業であることからヒューマンエラーが発生する可能性はゼロではありません。万が一に生じることが想定される不具合に関して、もし起きてしまった場合は速やかな対処が求められますが、施主と初期段階で打合せて説明し、信頼関係を醸成することも重要です。事例・バリアフリー改修を行った床と既存床で2.5mm段差が生じた。・セメントで補修後に、数か所に1mm程度のひび。・階段に2~3mmの隙間・ガルバニウムに交換したところ降雨時の騒音、結露が生じた・床鳴り部分のみ床板を張替えたがその他の部分の床鳴りが残った。理由施工上どうしても生じてしまうような不具合と、構造上やバリアフリー上リスクとなる不具合の範囲について、事前に説明しておくべき事例です。避けられない不具合に関しての補修などの対応についてもできれば事前に協議します。工事範囲とそうでない部分で生じうるリスクや違いについて、施主の同意を得たか不明な事例です。76