タイトル:リフォームに関するクレームの実態 -心構えと対処法-

ページ
55/148

リフォームに関するクレームの実態 -心構えと対処法- の55ページ目の概要です。

各ボタンで、目的のページを開いてください。

概要

リフォームに関するクレームの実態 -心構えと対処法- の電子ブックです。

設備工事の注意点水回りや電気設備のリフォームに対して生じたクレームの多くは、現況の確認不足や製品仕様の調査不足が原因となっています。ここでは、クレーム事例に関連して、リフォームの問題が生じやすい「節水型便器の設置の注意点」「エアコン設置の注意点」「省エネ給湯器設置の注意点」を挙げていきます。節水型便器設置の注意点1.節水型便器に替えたら、排水が詰まりやすくなるのか1節水便器の交換では、排水管径と、排水管長さ、曲がり数に注意2006年頃から、従来8~13Lだった排水量の半分以下の4~6Lの節水便器が発売されるなど便器の節水化が進行しています。洗浄方式も、例えばTOTOでは、ほとんどの住宅用の製品は節水の関係からトルネード式とその改良型ハイブリッドエコ式に限られています。しかしながら、節水型便器の発売以前に建てられた住宅の配管の勾配は節水を想定していない場合があります。第2章実際のクレームと対処法[東京都水道局第2節設計・施工5水洗便所4)節水型便器]採用に当たっては、水量が少ないと汚物の搬送距離が短くなる可能性があるので、公共桝までの距離、勾配、その他の排水器具の配置など配管条件を事前に検討する必要がある。一般に大便器の排水管口径は75mmで、1/100以上の勾配が標準です。1/100より緩い勾配では詰まりやすくなり、急勾配になる場合も、固形物を流す水だけが流れ詰まりやすくなります。また、曲がりが多い、横引管が3m以上など長い場合、水量が減り詰まりやすくなるという報告もあります。[TOTO腰掛便器についての設計施工情報排水管設計にあたってのお願い]節水便器の床下横引排水管において、勾配1/100、75A、2曲がりの排水管(優良受託部品性能試験方法書BLT WC:2015)で10mの搬送性能が確保されていることを確認し、排水管長さが10mを超える場合でも停滞した汚物は、次回以降の洗浄で順次押し流されていることを確認しています。実際、配管において曲がり数が多い、配管が老朽化している等、配管損失が大きいことが予想されている場合は、排水管を事前に手直しいただいたり、配管長さに応じて水量を増加したりするなどの措置が必要です。51