タイトル:リフォームに関するクレームの実態 -心構えと対処法-

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概要

リフォームに関するクレームの実態 -心構えと対処法- の電子ブックです。

既存建物のリフォーム対象部分の現況調査依頼された工事内容(材料・工法等)の検討を行う前に、既存建物のリフォーム対象部分への調査が必要です。この調査が疎かであったことと、調査結果から導き出した工事内容の依頼主への説明不足がクレームの大きな原因となっています。時には、現況調査の結果から下地からの補修が必要になり、依頼主が希望しているリフォーム金額での工事が困難になることもあり、逆に工事金額を増やす目的で現況調査を行った悪徳業者じゃないかと疑われることも考えられます。そのような時には、適正な工事が行われなかった故に、いかに多くのクレームが生じているかと、工事内容の根拠となる調査結果を踏まえどのような工法の選択を行ったかを、この冊子を使うなどして、依頼主に毅然とした態度で丁寧に説明を行うべきでしょう。1.リフォームの依頼内容に応じた適切な調査1戸建て住宅のプランの変更やマンションのスケルトンリフォームに係る現況調査戸建て住宅のプランの変更では、耐力壁や2階床梁の位置等の建物構造や屋内配線の状況が見積り前に分からないと、壁や柱を取るなどの判断が難しく、クレームにあるように工事中に分かった場合は、プランの変更そのものができないこともあります。見積り前に判断するためには、設計図や構造図が残されていることがベストですが、これらがない場合でも、簡単な間取り図を作成し、筋交いセンサーやデジタル探査機を用いて、間取り図に耐力壁や配線の位置を入れた図面を作成し改修計画を立てます。マンションのスケルトンリフォームでは、仕上げの状態では梁型とダクトの覆いの区別や下がり天井部分の小梁の位置などは判断が難しく、構造図の確認が必要です。依頼主がこうした資料を持っていることは稀ですが、管理組合はほとんどの場合、竣工図を持っていることが多いので関係部分のコピーをもらい、図面に梁型やダクト位置等を落とした上で計画してください。2部分的なリフォームのための現況調査部分的なリフォームの場合は、例えば、床のフローリング化であれば、下地となる現況床の不陸、凹凸、傾斜、たわみを調査し「直貼り」か「下地合板張替え」か「根太補修を含める」かを判断します。多くの場合、安価に仕上げるために直貼りが採用されますが、下地となる既存床がしっかりしていないことによってのクレームが多く生じています。直貼りの場合どこかで既存床との段差が出ますが、その場所がどこか、どのようなおさまりになるのかの承諾を依頼主に取っておくことも必要です。また、便器の取り換えなどでは、配管の軽や曲がりの数により付け替えられる便器の種類が異なるなどの問題があります。部分的なリフォームであっても関係する部位の現況調査を怠らないようにしましょう。40