タイトル:住宅省エネルギー技術 常設研修テキスト 木造軸組工法の断熱施工 令和4年8月 全国(4~7地域)版

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電子ブック:住宅省エネルギー技術常設研修テキスト 木造軸組工法の断熱施工 全国(4~7地域)版 令和4年8月 〈改正〉平成28年省エネルギー基準対応

適切な厚さの断熱材が施工されていても、断熱材と柱などの部材との間や断熱材同士の間に隙間を生じさせると、本来の性能が十分に発揮されません。また、詰め込み過ぎても断熱性能を悪化させることになります。表は繊維系断熱材の施工状態による断熱性能の違いを示しています。また、押し込み過ぎて通気層の空隙を塞いでしまうと、通気層がその役割を果たせなくなります。左表の熱貫流率の値は、実験値に基づく熱貫流率を示しており全ての場合にあてはまるものではありませんが、施工状態によって断熱性能が大きく損なわれる危険性があることに注意してください。断熱材の施工状態と熱貫流率施工状態熱貫流率U[W/(㎡ ・K)]良い施工状態0.366(100mm)グラスウールの寸法が著しく大きく、押込みすぎた状態0.438(84mm)グラスウールの寸法が大きく、両端を押し込みすぎた状態0.798(46mm)グラスウールの寸法が小さく、柱との間に隙間ができた状態0.569(67mm)( )内は、グラスウールの施工において、「良い施工状態」を100 mmとした場合の換算厚さです。1. 断熱の基本的な考え方1-1.断熱層と気密層の連続性を確保します。1-2.断熱材は均一な施工が必要です。 断熱の基本的な考え方を充填断熱の例で示します。 大切なのは、断熱層と防湿層の連続性です。連続した断熱層で家全体をすっぽりと包み込むように、まず、軸組や床組等の躯体部分を断熱材で充填すること。次に、室内の湿気が断熱層に入るのを防止するため、連続した防湿層をつくることです。 断熱材の施工を怠ると、その部分が断熱欠損部となり冷暖房エネルギーをロスします。断熱欠損部からは、冬は暖房した熱が逃げ、夏は室外の熱が入って冷房が効きづらくなるため、快適な居住空間が得られません。 また、防湿層が途切れていると、壁内に湿気が入り結露を引き起こす危険性が高まります。断熱層防湿層1