タイトル:リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 現場編

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概要

リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 現場編 の電子ブックです。一般社団法人JBN・全国工務店協会

第4章引き渡し前後の対応3雨漏り雨漏りは、構造躯体への影響があることや室内への雨水の浸入が瑕疵保険上の雨漏りと認識されます。通気層に入って外部に排出される雨水は、一次防水の屋根材や外壁材に何らかの劣化症状が生じている状況ではありますが、雨漏りと認識されません。とはいえその状態が継続すれば、内部の構成材に劣化が生じ、雨漏りに至ります。発生の時期によって判断も変化します。通常環境の中で、新築後数年でそうした症状が発生しているのであれば、仕上げ部分の施工不良の可能性が高く、無償補修で対応するのが妥当と思われますが、10年程度経過して生じているものであれば、経年劣化であり、メンテナンスが必要な状況といえるでしょう。雨漏りが発生してからの対応は、品確法上の瑕疵担保責任により無償補修となりますが、雨漏りではない劣化は、メンテナンス工事となり有償とすることができるでしょう。対応に関しても雲泥の差が生じます。メンテナンス工事であれば、緊急性はないため、日程調整をして日常業務に組み込むことができますが、雨漏りであれば他の業務を後回しにしても迅速に初動せざるを得ないため、日常業務を圧迫することになり、精神的にも大変な状況になります。また、雨漏りで望ましくない対応は、とりあえず怪しい個所をシーリングして様子を見てもらい、改善されず、さらにシーリングをして改善されないばかりか、流入量が増えるなど、何度補修をしても改善されないと、施主も担当者も疲弊してしまい、お互いに悪い感情だけが残ることになります。雨漏りの場合は、目視で原因が明確にわかる場合以外は、水かけ調査などを行い、雨水の浸入箇所を特定してから補修計画・工事に入れると良いでしょう。天井際の壁に水染み跡が見られるが、雨漏りではない可能性も考慮に入れる天井裏への小動物の侵入、生息が原因の場合もある軒先の水染み跡は、保険適用外ではあるが、劣化事象として認識されるので補修が必要70