タイトル:リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 準備編

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概要

リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 準備編 の電子ブックです。一般社団法人JBN・全国工務店協会

第3章現地調査(戸建て住宅)13腐朽・蟻害があったら腐朽は、木材の含水率が高くなることで生じやすくなるため、木材の湿気をコントロールする必要があります。たとえば、床下の地盤が地面むき出しで湿っている状況であれば、防湿シートを敷き込んで、湿気が床下の木材部分に上がってこないようにすることが効果的です。浴室周りについては、昭和年代以前に建てられた木造住宅で、地盤上にコンクリートを打ち、タイルを張った在来浴槽が多く見られ、床のレベル合わせのために土が埋め戻されて、土台が地面に埋もれているものすらあります。この状態ですと、いくら防腐防蟻剤が施されていても、長年そのままの状態であるため腐朽や蟻害が発生していることが多くあります。腐朽が見られた場合、その部材は交換を行うことになりますが、その後の腐朽を防ぐための方策や納まりの改善を提案し、リフォーム後に同じ状態にならないよう配慮することが重要です。一方蟻害は、地面からに巣を作るシロアリの場合、地面のはるか上にある木材の情報は、通常地面には伝達されません。蟻害がある箇所を見ると、地面と接している木材がある、雨漏りして木材の表面を伝わった水が地面に達しているといった、餌としての木材が存在しているということが地面に伝わっていることが要因として見受けられます。こうした要因がわかれば、その要因を排除することで、蟻害を防ぐことができると言えます。これらのことを念頭に、蟻害が生じている場合の補修方法等についてわかりやすく施主に説明できると良いでしょう。蟻道が見られ、白アリが出入りしているような状況の場合、シロアリを根こそぎ駆除する方法として、蟻道部分に偽餌を設置して巣に持ち帰らせ、一網打尽にするベイト工法が挙げられます。また緊急の場合であれば、白アリの巣自体は残りますが、蟻道を破壊し、殺虫剤を散布するといったことでも地中に帰れなくなったシロアリを死滅させることができます。1腐朽が生じる要素は、水分、酸素、栄養素、温度の4つ。よって「水分」を排除することで防ぐことができる。2腐朽している箇所が現れたら、腐朽を引き起こした要因を調べ、その原因を取り除いたのちに補修工事が行えると良い。3蟻害は、土台が地面に接していることや雨漏りに関連して起きることが多い。4シロアリが入り込んだ原因を把握して対策をとるとともに、完全にシロアリを駆除したのちに補修工事等を行う。62