タイトル:リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 準備編

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概要

リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 準備編 の電子ブックです。一般社団法人JBN・全国工務店協会

第3章現地調査(戸建て住宅)10内壁や天井にひび割れがあった場合内壁のひび割れは、石膏ボードの継ぎ目に生じているものは下地木材の収縮や動きで生じたものと考えることができます。よって構造的な問題があるとは言い切れないことから、その説明については注意を要します。状況調査方法基準においては、下地に達するひび割れは著しい劣化事象とされていますが、石膏ボードの平面に入っているひび割れであれば、相応の力が加わったと考えられることから構造的な問題が疑われますが、石膏ボードと石膏ボードの継ぎ目に、ボードの形なりに生じた直線状のひび割れに関しては、構造的な影響は少ないと思われますので、過度に不安をあおるような説明をすべきではありません。当該箇所の工事を行う場合、下地の確認を行い、問題がないことを確認できると良いでしょう。天井面も同様で、石膏ボード等の継ぎ目に生じている軽微なひび割れについては、下地材の収縮等によるものが考えられます。ただし、母屋下がりがある建物で、その部分が勾配天井になっていて、勾配天井面や平天井との境目部分に大きなひび割れが生じている場合、石膏ボードの継ぎ目であったとしても構造的な弱点がある可能性があります。母屋下がりの場合、勾配天井であったりスペースが取れなかったりすることから、通常の小屋裏に設置される火打ちや雲筋かいの設置ができず、屋根構面の強度に差が出ます。地震動等により外壁耐力壁で屋根面を支えることになりますが、母屋下がり部分が弱いため変形が生じやすくなり、ひび割れが生じることがあります。弱強屋根構面の強度に差があると勾配天井にひび割れが生じることがある1石膏ボードと石膏ボードの継ぎ目に生じているひび割れで、下地まで到達しているとしても軽微なものは、下地の収縮などの影響によるものが多く、構造的な問題でない可能性が高い。2石膏ボードの平部にひび割れが生じている場合は、大きな力が働いたことが考えられるので、構造的な問題を疑って詳細調査を行う。3石膏ボードと石膏ボードの継ぎ目のひびであっても、平天井と母屋下がり天井の境目に生じている場合は、屋根の構面の強度差が生じている可能性があるので補強の提案をする。4工事の際も、ひび割れが生じていた場所の下地の状況を確認、記録するなど、原因を究明する探究心をもつ。60