タイトル:リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 準備編

ページ
59/88

リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 準備編 の59ページ目の概要です。

各ボタンで、目的のページを開いてください。

概要

リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 準備編 の電子ブックです。一般社団法人JBN・全国工務店協会

9外壁のひび割れが構造的な要因のものと疑われた場合リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ準備編構造的な要因のひび割れは、梁のたわみで開口部垂れ壁下部に生じたり、吹き抜け周りの耐風梁の強度不足や梁の痩せ、ねじれによって仕口がずれ、内外壁面に生じたりします。原因の究明は、表面の目視だけでは不可能であることから、伏図などの構造図を参照したり、天井点検口などから梁や仕口の状況を直接目視したり計測したりして確認する必要があります。しかし、非破壊での調査では原因の特定には限界があることが多いため、よほどの確からしさがない限り、断言するような言葉遣いは避けたほうが良いでしょう。推定通りでなかった場合の信頼感低下を引き起こさないために注意を払い、「症状から見ると梁のたわみが考えられますが、構造図の検討や実際に梁組の部分を見てからでないとはっきりしたことがわかりません」というように、推測を伝えながらも不明であることも付け加えることで、専門家なので見えないところもわかるだろうと勘違いしている施主にも、プロであっても見えないところの判断は難しいことを理解してもらう必要があるでしょう。また、自分で原因がわからない場合は、構造図面や現地調査の状況に基づいて構造設計者等に相談し、正しい判断を行いましょう。プロなんだからひび割れの原因もすべてお見通しでしょ?!さすがに見えないところは調査と検討が必要ですよええ?!そうなんですか?そうなんです1構造的な要因のひび割れは判断が難しい。推測だけで施主に説明することは避けよう。2梁などを確認する方法として天井に埋め込まれている器具を取り外すことで、非破壊で確認することができることもある。3梁のたわみによって垂れ壁の下部がひび割れることも。仕口のめり込み破壊により床が傾き引き違いサッシの開閉ができなくなることも。水平構面の剛性不足で外壁に縦ひびが入ることも。4現地や構造図面等を確認し、構造的な欠陥が疑われる場合は構造設計者等と検証を行い、妥当な判断を下す必要がある。59