タイトル:リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 準備編

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概要

リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 準備編 の電子ブックです。一般社団法人JBN・全国工務店協会

第3章現地調査(戸建て住宅)6窓周りに結露症状があったら木造住宅で最も結露症状が起こりやすい場所は、シングルガラスのガラス部分、アルミサッシの額縁部分などです。結露の原因は、冬季に室内を暖房することにより室温が上昇し、水蒸気を多く含む空気が発生し、その空気が温度差のあるカーテンと窓の間に入り込む、非暖房室に入り込むなどして、露点温度以下の低温部分に接し、結露するというパターンが多いでしょう。例えば、冬季の室内乾燥防止のために、浴室使用後に換気扇を止めて室内側のドアを開放して加湿する、洗濯物を室内に干して加湿する、湿度調整機能がない加湿器を常に使用する、開放型の暖房器具を使用する、調理時の湯気等を換気扇で排出しきれない、といった状況があると、結露が生じる可能性は高まります。窓周りだけではありませんが、結露を防ぐ方法の一つは、必要以上に湿度を上げないことが挙げられます。もう一つは、窓の断熱性能を向上させるという方法で、窓ガラスをアタッチメントでペアガラスに替える、窓そのものをペアガラスサッシに替える、内窓を設置するなどが考えられます。ただし、内窓の設置では内窓の気密性が高くない場合、結露が生じにくくなることはありますが、窓と窓の間に室内空気は流入してしまうため、外窓の結露を完全に止めることは出来ません。気を付けなければいけない点として、窓の断熱性能を向上させることにより、窓ガラスに生じていた結露の量が減るため、それまで結露していた分の水蒸気の行き場がなくなり、躯体内や内壁面などの断熱弱点部分に思いもかけない結露が生じる可能性があることが挙げられます。結露防止の工事を行う場合は、建物全体の断熱性能や気密性能を向上するなどして、部分的に冷えてしまう個所を作らないよう計画することが重要です。結露の発生原因は、現場を見ただけではなかなか判断することができないので、上記に当てはまる点はないか施主から生活の仕方も含めてヒアリングを行い、リフォーム後に結露がひどくなったといったクレームにならないよう、工事の計画の段階から考慮できると良いでしょう。1シングルガラスの窓周りには結露が起きていることが多く、ガラスを窓枠に止めるパッキンにカビが発生していることが多い。2結露が発生する原因として、室内の湿度の上昇、露天温度以下の部位の存在が挙げられる。3部分的に結露を改善すると別の部位に結露が生じることもある。結露対策工事を行う場合、室内空気に触れる部材の位置まで冷えた外気が入り込まないような断熱性能や気密性能を確保し、建物全体の室温が上がるレベルの断熱補修が行えると良い。4室内に気流を発生させ、温度が低下する部分の空気を撹拌することも結露防止には効果がある。56