タイトル:リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 準備編

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概要

リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 準備編 の電子ブックです。一般社団法人JBN・全国工務店協会

第3章現地調査(戸建て住宅)4雨漏り症状があったら雨漏り症状は、室内の天井付近、壁面、窓周り、床付近、場合によっては土台や基礎部分までさまざまな個所に生じます。一般的な診断としては、雨染み跡があることで雨漏りの可能性があることから劣化事象ありと判断することになりますが、補修済みである場合は施主へのヒアリングによりその後の経過を確認して、雨漏り症状が止まっているようであれば、ひとまずは効果が出ていると考えられます。しかし、補修によって雨漏りの量が減り、室内に表出しなくなっても躯体内では継続しているということもあります。リフォーム工事の範囲にその個所が含まれる場合は、その場での安易な診断は避け、実際の工事に当たって自分で雨漏り箇所及び補修箇所の状態を確認し、場合によっては水かけ試験などを行って、確実な現状把握をしなければいけません。これは、以前の施工者が発生させたものであったとしても、当該箇所の工事を行うことによって、雨漏りに対する責任が自社に移動することになるからです。雨漏りの原因究明は、内部の雨漏り症状の位置を確認し、その上部の外部周辺を中心に調査を行います。しかし、症状の上部を確認したとしてもその周辺に雨水浸入が考えられる劣化や症状が生じていない場合があります。これは、雨水浸入後、梁を伝わったり垂木を伝わったりするなど、症状が生じている場所から離れた位置が入口であることも多いためで、雨が伝わっていると考えられる部分の躯体が見られる位置に天井や壁の点検口を開口し、その伝わり具合を確認できると良いでしょう。それでも不明の場合、水かけを行うなど確実に原因を突き止めて補修を行うように心掛けましょう。確証のないまま的外れな推測に基づいて補修を行い、その結果直らず、何度も補修を繰り返し、施主も施工者ともに疲弊してしまったり、補修によって雨水の浸入量が増して逆効果になってしまうということもありますので、手間はかかりますが、様子見の補修を繰り返すのではなく、原因の追及と特定をしてから補修をするように心掛けましょう。また、雨漏りの状況や補修状況の記録も残しておきましょう。1雨染みがあることを見つけるだけでなく、補修工事につながるよう内部の状態についてもイメージを膨らませて考えると良い。2補修済みの場合でも補修状況や天井裏などの状態を自社で確認して対処しよう。和室の水染み跡3雨漏りの原因の追及と特定を行ってから補修工事に入るようにしよう。4補修工事の現場は、これからの施工や納まりを考える上での検証に役立つため、現状、解体時に見られる被害状況、補修工事の状況など記録をして社内で共有し、同じミスを犯さないような資料にしよう。54