タイトル:リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 準備編

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概要

リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 準備編 の電子ブックです。一般社団法人JBN・全国工務店協会

リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ準備編1-4使用材料木材人工乾燥材の使用が増加し始めたのは平成年代に入ってからです。それ以前の住宅では自然乾燥材やグリーン(未乾燥)材が使用されており、建物が完成してから乾燥が進み、大きく変形していることがあります。リフォーム工事で壁材を解体した際に柱や梁などが反ったりねじれたり、大きく変形しているのをよく見かけます。乾燥状態が良くない構造材を使用している建物の場合、内装下地面材が構造材の変形の影響を受けにくいように、胴縁を介して取り付けられていることがあります。面材による耐震補強を行わないのであれば、それまでと同じ胴縁を用いて内装下地面材を取り付けることで、構造材の変形を吸収し壁の表面にその影響が現れないようにすることは可能です。しかし、耐力壁として面材張りをする場合、このねじれや変形によって面材を構造材に密着するように取り付けられないことがあります。構造用面材は、原則として、柱や梁に密着させて釘等で留め付ける必要があり、浮き上がった状態で留め付けても本来の耐力が発揮されません。この場合、かんなで変形部分を削り落として面合わせをするといった手間が必要になりますので、非常に時間がかかることになります。そうした施工上の影響があることも想定に入れて、補強計画や工期、予算などを組む必要があります。アスベスト屋根材や内装下地材、内装材について、昭和年代の建物においてはアスベストを含有している建材が数多く存在しています。建材に混入され、固定化されているものであれば、切断や破壊を行わない限り飛散することはほとんどないといわれています。また処理においても専用のビニル袋を2重にして密閉するといった簡便な対応で済みますが、解体作業の際にアスベストの吸引リスクがあることを認識して、破損による繊維の飛散等に備えて、アスベストに対応した防塵マスクを用意、使用するといった自衛手段をとる必要があります。また、現場にかかわる職人にもそうした教育を受けさせ、指導を行う責務が現場管理者にはあります。アスベスト含有が想定される建材の例生産中止材料使用されている材料が、現在では入手できないものであることもよくあります。特に古い吹きガラスや柄のついた型ガラス等は、製造中止になってから年月が経っており、まず入手できませんので、脱着や解体の際に細心の注意を要します。そしてそのことは、解体作業にかかわるすべての関係者に明示しておく必要があります。ガラスだけではなく、希少品や再利用品については特にミスをしないよう、保護するポイントの把握と養生の徹底を指示する必要があります。51