タイトル:リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 準備編

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リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 準備編 の44ページ目の概要です。

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概要

リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 準備編 の電子ブックです。一般社団法人JBN・全国工務店協会

第3章現地調査(戸建て住宅)4現況調査現況調査は、現在ではインスペクションという呼称で一般的になりつつありますが、建物表面に劣化事象が現れているということだけでなく、その症状から内部がどのような状況なのか、すぐに補修が必要か、すぐでなければいつ頃補修を行うとよいか、補修の方法、費用はどのくらい掛かるのかといったことが、施主にとっての有用な情報と言えます。リフォーム工事範囲外についてインスペクションを行うことは建物全体の状態を知るために必要ですが、その場で仕事にするために強引に補修を迫ると、工事範囲を広げようとする悪徳業者という印象になるので、問題のある劣化症状が見られたとしても、緊急性のあるものだけ伝え、応急措置にする場合と、本格的に補修をする場合の双方の見積もりを提示して、施主に選択してもらうといった柔軟な対応が必要です。これらの情報の提供者として、工務店は最適でしょう。見積もりは普段行う業務で、補修も経験があり、メンテナンスも行っていれば補修時期の判断もできるでしょう。インスペクション結果を分析し、既存部分を解体した際に発見される可能性がある劣化症状を想定し、その補修内容や費用などを施主に事前に伝えておき、何もなかった場合は減額するようにすれば、実際に劣化症状が現れても追加工事にならず、施主の資金計画にも狂いが生じにくくなるでしょう。建物の劣化状況や補修状況の履歴を残すことは、次に必要と思われるメンテナンスの時期が把握できるとともに施主の心構えにも役立つことから、記録をいつでも取り出せるように整えると良いでしょう。住まいのメンテナンスを継続的に行う工務店が減少していく中で、リフォームをきっかけに、その住宅のすべてを把握し、データベース化し、定期点検につなげるなど、施主との良好な関係を継続できる仕組みを構築することで、さらなる受注につながると思います。1依頼されたリフォームの工事範囲の下見をすることはもちろん、施主の気づいていない問題がないか、建物全体の状態を把握するインスペクションを行う。2インスペクションの結果と、補修の必要性や補修方法、費用等についての情報を優先順位も含めて施主に説明する。あくまで情報提供で、判断は施主にしていただく。3劣化状況の把握は、メンテナンス時期を把握するうえでも重要な情報なので、その時期が来たらアラートが発せられるようなシステムを構築してもれなく対応出来るようにすると良い。4建物の状態を把握し、施主に補修等のアドバイスできるという立場は、その建物の維持管理工務店としての位置を築くことになる。44