タイトル:リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 準備編

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概要

リフォーム現場のトラブル回避ノウハウ 準備編 の電子ブックです。一般社団法人JBN・全国工務店協会

第1章リフォームの前に2追加や変更は関係者全員の了解を得てから行おう施主の思いや要望をくみ取り、良かれと思って現場でできる変更をしていくことは施主にとって好ましいことではありますが、自分の思い込みで勝手に行うとトラブルになってしまうことがあります。実例として、車いすが通れるようにしたいという要望に配慮して、設計図で示されている寸法では若干幅が狭いと考えられたことと、ドア枠のサイズからすると柱との間に余裕があるということが分かったことから、ドア枠の製作が行われていない今であれば、ドアの幅を広げることができるという提案を施主に行い、了承をもらって施工しました。当初は入り口の幅が広くなって喜んでいた施主ですが、引き渡し後に什器を運び込んだところ、壁にぴたりと納める予定だった嫁入り道具のタンスが入りきらず、ドアに掛かってしまうということが後から判明し、とてもがっかりしたということがあります。工事内容の変更により工事金額も変わります。減額になるのであれば、通常問題は生じにくいのですが、高級志向のある施主の場合、安くなることについて合理的な説明がないと、品質が悪いものに変えたのではないか、手を抜いたのではないかといった疑いを持つこともありますので、減額、増額それぞれの場合について、施主への確認と説明および了承が重要となります。設計者はさまざまなことを考えて図面を仕上げているため、施工側で考えた納まりや寸法の方がより良いと思えたとしても、現場で勝手に変えてしまうことにより、前述のような別の問題が生じてしまうことがあります。この事例から、より良いとreform_01_2_L思われる提案が生じた場合、設計図と異なるから提案しないということではなく、施主に提案する前に設計者あるいは営業とその提案に関する問題点がないかを検討して、問題がないことが確認されてから、金額や工期等も含めて施主に提案し、了解を得て工事に着手するという手順を経ることで、こうした行き違いがなくなり、より満足度の高い提案が可能になります。良かれと思ってしたことが・・・10