タイトル:職業人としての自覚と責任

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概要

職業人としての自覚と責任 の電子ブックです。一般社団法人JBN・全国工務店協会

2-2コンプライアンスの順守ここで言う「コンプライアンス」とは、法令順守、特に仕事を行う上で社会規範を守り、公平・公正に仕事を行う事を指しています。不正行為や違法行為を行う企業は、社会的に信用を無くしいずれ淘汰されます。社会人(職業人)となり、その会社に所属した以上は、あなたの行動は所属する会社の行動「個人=企業」として対外的(第三者であるお客様や関係企業)にみられていることを常に意識して行動する必要があります。当然のことながら、最近話題になった「反社会勢力との関係」に関しても近寄る事の無い様に、注意して対応する必要があります。1)守秘義務の順守建築業では、特にお客様個人の情報に触れることが多々あります。お客様の家族構成から収入、趣味嗜好等の個人情報から住宅という個人資産の情報まで知りえる立場なのです。この業務上知りうるお客様の個人情報に対して守秘義務を順守する立場にいることを理解したうえで行動しなければいけません。本人にその気はなくとも、何気ない言葉からお客様の個人情報や住宅の間取り情報などが漏れる可能性もあるため注意が必要です。個人情報を守るための「個人情報保護法」が制定されていて、業務を執行する上で知りえた個人情報に関して、お客様本人の承認なしで第三者に漏洩させることは禁じられています。万一、情報漏洩等が起こった場合その企業は、社会的な信用を無くし補償を求められる可能性も高く、企業として守秘義務規定を設定し社員が順守するように指導を行うことが求められています。要約すると「お客様の情報を関係のない(知る必要のない)第三者に話さない」ことです。2)企業コンプライアンスの順守コンプライアンスを訳すと「法令順守」となります。しかし、企業としてのコンプライアンスと考えた場合は、「法令順守」だけではなく「社内規定」や「企業倫理」まで幅が広がります。これは、企業としての起こりうる経営リスクを回避するための取組みといえます。当然、企業としてのチェック機能(確認・指導・監査等)を保有しますが、個々がこの法令や社内規定、企業倫理を理解し順守する事を心がける必要があります。常時、新聞紙上をにぎわす悪質なリフォーム事業者の事例など、自社の営利の追求の行き過ぎや自社(自分)の業務上の都合に合わせて、企業コンプライアンスをおざなりにすることが「自分の会社にとっての最悪の結果を及ぼすだけではなく、同業他社への影響やお客様への裏切りとなる」ことをしっかりと理解してください。参考:コンプライアンス違反の事例:構造計算書偽造問題(姉歯事件)一級建築士が行なった国土交通大臣認定構造計算ソフトウエアの計算結果を改竄した形での構造計算書の偽装を建物の建築確認・検査を実施した行政および民間の指定確認検査機関が見抜けず、承認した。地震国の日本において、建築基準法に定められた耐震基準を満たさないマンションやホテルなどが建設されていたという事実は、人命や財産に関わるものであることから大きな社会問題となった。―5―