タイトル:リフォーム工事における見積書作成の考え方と施工手順

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概要

リフォーム工事における見積書作成の考え方と施工手順 平成26年 一般社団法人JBN

見積書の一式表示は間違いなのかリフォーム工事の見積書を見るとよく「一式工事」の表記を見かけます。「一式」という見積り項目は、事業者にとって非常に便利な記述方法であり、提出の際に説明を行えば細かな表記を避けることが出来る方法と言えます。しかし、消費者向けの情報誌などを見ると「一式表記が多い事業者は、工事の依頼を避けた方が良い」とされることが多く、材工分離での見積書が良心的な見積書であるとされている場合が多々あります。本当にそうでしょうか?第1章確かに、一式表記は使い方によっては、非常に抽象的になり分かりにくい物になります。しかし、リフォーム工事の経験が少ない消費者にとっては、対象工事の周辺建材など聞いたことの無い工事名称や工事の手順を、見積書に記載されても混乱を招くことも多いでしょう。見積書の本質が、顧客へのプレゼンテーションであり分かり易いものとした場合すべてを材工分離としたことで逆効果になる事もあります。つまり、訳が分からない見積りを提出した事業者と捉えられる可能性があります。一式表記の問題点がどこにあるのか、これを理解することで見積書への使用も問題なくなると考えられます。一式工事とすることは、その工事に対する「全て」と理解することが出来ます。これが、顧客と事業者との間での認識のずれを起こします。事業者にとっての「全て」と顧客にとっての「全て」の違いです。多くの場合、顧客が考える「全て」の方が、範囲が広いものです。トラブルになるのは、当然と言えます。ここで注意したいのは、まず工事範囲の表記は、必須となります。ここでいう工事範囲とは対象となる工事部位(エリア)で、その特定が可能な表記にしたいものです。また、内訳書を添付することで、工事で対応する内容や使用する建材・関連工事の有無・各種手続きの対応等まで必ず、書類で作成することが必要です。大きな工事等になる場合は、図面を添付して範囲を明確に表記するのも必要でしょう。-5-